ある夫婦の美談と中国医療保険制度の現状

Record China    2006年7月27日(木) 12時2分

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中国国民を感動させた湯敬岩さん夫婦。

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2006年7月11日、北京海淀区の湯敬岩(タンジンイェン)さんが、北京市のメディアの取材を受けている。湯敬岩さんは、黒竜江(こくりゅうこう)省尚志(シャンチー)市石河子(スーハーズ)鎮の農民であるが、また、優れた腕前を持つ大工でもある。ところで、彼の妻は、4年前に頭部に損傷を受けて、ここ4年来、病気がちで、よくけいれんを起したりもしていた。湯敬岩さんは、妻を連れて、黒竜江省の大きな病院で治療を受けていたが、徹底的に完治することができなかった。そこで、友人の話を聞いて、北京の病院なら治療のレベルが高いので、このような原因不明の病気も治るかも知れないと考えた。そこで、湯敬岩さんは、独力で自家用の三輪人力車を「ルームカー」に改造。彼は、その「ルームカー」に妻を乗せて、3月21日から、1500?もある道のりを43日間かけて、引きながら歩いて、途中、筆舌に尽くし難い苦労をしながら、ついに6月28日、北京に辿り着いた。こうした彼のことはマスメディアに取り上げられて、中国国民を感動させた。現在、彼の妻は、北京で治療を受けている。さて、こうした美談の一方で、世間では、中国医療保険制度に関しての批判が相次いでいる。中国社会科学院が発表した医療衛生報告によれば、中国では、都市住民の70%、農村住民の96%が異常に高い医療費が原因で、まともな診療を受けることが出来ていないという。中国の農村では、医療保険制度そのものが存在していないと言ってよく、また昨今の高騰する医療費の影響もあって、農民は病気になっても医者にはかかれず、市販の薬頼みで、もしその薬が効かなければ死を待つのみ、という状況にあるということだ。

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