Record China 2008年3月3日(月) 12時41分
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毎年、主に春先から5月ごろにかけて東アジア全域を襲う「黄砂現象」。交通や農業、はては健康状態などにも影響を及ぼすこの気象現象は、中国の砂漠化を受けて被害が年々拡大している。
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毎年、主に春先から5月ごろにかけて東アジア全域を襲う「黄砂現象」とは、中国内陸部のゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、黄土高原から偏西風に乗って砂塵が主に東へ飛来する気象現象を指す。その飛来地域は中国(主に東部)、モンゴル、韓国、日本に及ぶ。年間で2〜3億tの飛来があるとされ、北京や天津など、中国北東地区の都市部ではその被害が毎年のようにメディアを賑わせている。
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単なる砂塵の飛散とはいえ、その中国国内での被害は日本で見られるものとは一線を画し、甚大なものとなっている。吹きすさぶ砂塵で視界が著しく霞めば、自動車は徐行を余儀なくされ、道行く人もサングラスやスカーフで頭部を保護しなければ外を歩けないほどになる。また、遮光現象などによって農作物の生育にも被害を及ぼすことがある。
一方、日本国内では大気が霞む程度の被害にとどまっている。気象庁の定義によると、日本国内における「黄砂現象」は「大陸性の土壌粒子によって、視程が10km以下になる現象」を指している。ただし、見過ごせないのが「環境汚染」としての一面。黄砂が大気中の汚染物質を吸着すれば、ぜんそくや花粉症の悪化など、健康面に悪影響を及ぼす。
年々深刻化しているといわれる黄砂だが、それも中国の砂漠化現象と無縁ではない。国土の18%が砂漠と化してしまった中国では、政府をあげて植林活動や遊牧民の定住化奨励、適切な農耕法の指導などに努力している。
東アジアの春を憂鬱にする黄砂現象だが、一方で、春の到来を伝える重要な風物であることも忘れてはいけない。古来から「春霞」などとして歌などにも詠まれているのは、ほかでもない、黄砂現象のことなのである。(編集/愛玉)
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