Record China 2018年6月22日(金) 16時40分
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米中両国の貿易戦争が始まった。中国メディアは「貿易のテロリズム」とトランプ政権を非難。米ホワイトハウス高官は「中国は大統領の決意を過小評価」と警告する。両国とも一歩も譲らない構えだ。写真は米国の議会。
米国と中国が相手方からの輸入品に報復関税を課すことを表明し、全面的な貿易戦争が始まった。中国メディアは「貿易のテロリズム」とトランプ政権を非難。米ホワイトハウス高官は「中国は大統領の決意を過小評価」と警告する。両国とも一歩も譲らない構えで、対立はエスカレートする一方だ。
トランプ大統領は18日、2000億ドル(22兆円)規模の中国製品に対し10%の追加関税を課すと言明。500億ドル(5.5兆円)相当の中国製品に対する米国の関税発表を受けて中国が同規模の報復関税を決めたことへの対抗措置だと説明した。中国は「米国は極度の圧力や脅し」をかけていると反発し、「質的かつ量的な」措置で反撃すると表明した。
トランプ大統領は2000億ドルの中国製品に対する関税に対抗して中国が再び報復措置を発表すれば、米国はさらに2000億ドルの中国製品に関税をかけるとも言及。これまでに総額4500億ドル(49.5兆円)規模の中国製品に対して関税適用を打ち出したことになり、昨年の中国の対米輸出額5000億ドル(55兆円)強の大部分がターゲットになった形だ。
中国網は米側の措置を「米国市場はすべての中国製品に対して扉を閉ざすことになる。これは確かに理性を失っており、狂気じみているほどだ」と批判。「米国が求めているのは単なる『貿易バランス』ではなく、関税という武器を利用し道を切り開き、米国の政治・経済・軍事・技術などの圧倒的な覇者としての地位を守るため、1国で多国と世界にけんかを売ろうとしているのだ。赤裸々な『貿易のテロリズム』ではなかろうか」と決めつけた。
ロイター通信によると、中国の政府系英字紙チャイナ・デーリーも「トランプ米政権は貿易政策の問題になると血に飢えている」との論説を掲載。「トランプ政権は中国経済の活力源を吸い取ることを望んでおり、中国のいかなる譲歩にも満足しないようだ」との見方を示した。
これに対し、対中強硬派で知られる米ホワイトハウスのナバロ通商製造政策局長は「中国が『略奪的』な通商慣行を改めなければ、輸入関税の発動に踏み切るというトランプ大統領の決意を中国は過小評価している」と指摘。「(米国からの)輸入を幾分拡大するだけで、米国の知的財産権や技術を盗むことをわれわれが容認すると思ったなら誤算だ」と強調した。
さらにナバロ氏は「貿易戦争では中国の方が失うものが大きい」とも述べ、中国側に大幅な譲歩を迫る強気の姿勢を改めてみせている。交渉を通じた早い時期の問題解決の可能性は後退した格好で、米中両国間には暗雲がますます立ち込めている。(編集/日向)
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