Record China 2018年3月17日(土) 16時20分
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北京郊外の中国人民抗日戦争記念館など3館が歴史教育の強化を呼び掛ける共同声明を発表した。背景にあるのは中国で問題視される「精神日本人」。声明は好ましいネット世論環境をつくり、良くない風潮を排するよう提唱している。写真は南京大虐殺記念館。
2018年3月17日、北京郊外の中国人民抗日戦争記念館など3館が歴史教育の強化を呼び掛ける共同声明を発表した、と中国国営メディアが伝えている。背景にあるのは中国で問題視され、批判が集中している「精神日本人(精日)」。声明は好ましいインターネット世論環境をつくり、良くない風潮を排するよう提唱している。
「精日」について、中国共産主義青年団(共青団)は中国版ツイッター・微博(ウェイボー)で、「自身の民族を恨んで日本軍国主義を極端に崇拝する人物。精神的に自身を日本の軍国主義者と同じとみなす非日本国籍の者」と説明。「日本軍の軍服でコスプレをしてみたり、抗日戦争の英雄を誹謗(ひぼう)したりするなどの行動が見られる」と紹介している。
中国メディアによると、南京市の警察当局は2月23日、南京抗日トーチカ遺跡の前で第2次世界大戦時の日本軍風の軍服を着て写真を撮った2人の男を15日間拘留したと発表した。ほかにも4人の男が旧日本軍の格好をして抗日遺跡上海四行倉庫で写真を撮影したり、2人の男が国家追悼デー前日に大虐殺発生地で日本の武士の格好で写真を撮ったりしたケースが報じられている。
中国の王毅外相は全国人民代表大会(全人代)の記者会見の後、「恥さらし、裏切り者」などを意味する「敗類」という言葉を使ってこうした行為を批判。全人代の出席者らからも非難の声が相次いだ。
国営新華社通信によると、共同声明をこのほど発表したのは、1937年7月に日中戦争が始まった北京郊外の盧溝橋近くにある中国人民抗日戦争記念館と侵華日軍南京大虐殺遇難同胞記念館、瀋陽「九・一八」歴史博物館。日本軍国主義や中国侵略の歴史的事実を美化する現象がこのところ中国で連続して発生していることを受けたものという。
声明の中で3館は、文化施設や博物館の愛国主義教育機能を強化し、歴史観教育に力を入れることを提案。展示・陳列物、文化財、図書など従来の教育方法のほか、教育サービス商品の研究開発にも力を入れるよう求めた。式典型、体験型、参加型のプロジェクトを通して、愛国主義を見学旅行、探求型学習と結び付けて、実地学習を進める中で愛国を実感の伴った感情に変え、愛国主義が実践可能で実現できる行動を促すことも訴えている。
さらに「好ましいインターネット世論環境をつくり出し、虚無主義的歴史観やジョークめいた虚構を交えた歴史記述などさまざまのよくない風潮を排するべきだ」と主張。ニューメディアの愛国主義教育商品をつくり、歴史教育のさらなる普及を図ることも提言している。(編集/日向)
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