Record China 2008年3月10日(月) 10時11分
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北京で開催中の全国人民代表大会に代表として出席している北京市の吉林副市長が7日、五輪期間中の交通規制について語った。新華社が伝えた。写真は北京市。
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五輪、車両ナンバー規制を実施へ〜”外地人”規制は行わず
五輪期間中は『車両ナンバー』で自家用車を規制…市民に対しては経済的措置…
北京で開催中の全国人民代表大会に代表として出席している北京市の吉林副市長が7日、五輪期間中の交通規制について語った。新華社が伝えた。
ナンバー規制、本番でも行う
それによると、五輪期間中は車両ナンバーの末尾が偶数と奇数かで、運行できる自家用車を規制することになる。このやり方は、去年8月、「星野JAPAN」の初陣として注目された野球のテスト大会開催時に試行され、一定の成果を挙げたやり方。このときは、市内を走る自家用車の量が文字通り『半減』し、いつもは昼過ぎから始まる幹線道路の渋滞も、朝夕のラッシュ時を除いては、ほとんど見られなかった。
また、自家用車の使用ができない市民の不便に対しては、政府として「相応の経済的措置」を取ると話した。これについては、具体的な方案は明らかにされていない。
ここ数年のマイカーの激増により、北京市内の渋滞が深刻化していることはよく知られている。朝夕のラッシュ時のみならず、一般的には空いているはずの昼2時から3時ごろから、“大渋滞”が始まるところもある。これに対して、北京五輪期間中、選手・役員の移動に大きな影響があるのでは?という懸念が、参加国からも寄せられている。
そこで、去年8月に試行され、一定の成功を収めた「車両ナンバーによる規制」を正式に採用しようというもの。北京では、去年、その翌月の9月に初めての『ノーマイカーデー』を設けるなどの試みも行っている。市民に対して、“車を使わずに”外出することに慣れてもらおう、というわけだ。
人気競技のテスト大会の際、競技場前が違法駐車や自家用車による入場を試みる人たちなどで混乱を起こし、前の車道が大渋滞を起こす、などの事態も発生した。今、北京では、自家用車による外出が一種のステータスにもなっており、どこに行くにも車…という人も多い。今回の措置は、何らかの経済的措置を施すことと引き換えに、市民に少しの間、『我慢』してもらおうというものだ。
公共交通利用を促す措置も続々…
また、五輪期間中は公共交通機関が拡充される。まず五輪の入場チケットを持っている人は無料で路線バスに乗車できる。またバスの本数も増便され、路線によっては初の24時間運行が行われることになっている。
さらに地下鉄の発車間隔の短縮、増便も行われ、市民の足を公共機関に向けてもらうよう措置がとられることになる。
「外地人」への規制は?
そして、もう一点…気になるのが北京以外の人たち、いわゆる「外地人」に対する対応である。1990年のアジア大会(北京)では、北京市へ向かう列車の乗車券販売を制限するなど、上京を厳しく制限する措置が取られた。北京市内の『治安の悪化』は地方から流れ込む流動人口が原因、とする論調も多い。また市内に多くいる、いわゆる『物乞い』も地方からやってきた人が圧倒的に多いともいわれている。
だが、吉林副市長はこれについて、『今回は上京規制を行わない』と断言。また、『物乞い』についても、『支援していく』との方針を語った。
ただ、一方で、北京市は現在、市内の住民に対して、「暫住証(地方出身者が北京に居住する場合に必要な証明書)」の所持チェックを進めており、今後、地方出身者で、許可を得ずに北京に滞在している人たちに対して、何らかの規制が行われる可能性は残っている。
<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>(了)
■筆者プロフィール:朝倉浩之
奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。
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