2008年3月21日、19日付中国証券報によると、中国人民銀行（中央銀行）がこのほど、市中銀行に対する預金準備率の引き上げを発表したことで、「今月内の預金・貸出金利の引き上げはない」との見方が市場に広がっている。

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中国の証券会社、申銀万国証券のアナリストは、刻々と変化する国内外の情勢が人民銀の利上げへの判断を慎重にさせていると指摘する。まず第一に挙げられるのが、米国との金利格差の逆転。中国はこれまで、海外からの資金流入によるインフレやバブルを警戒し、国内金利を米国の金利以下に抑えてきたが、最近の米国の相次ぐ大幅利下げで、この関係が逆転した。

また国内のインフレ防止に関しても、金利政策よりも銀行の貸し出し抑制などの量的規制の方がより効果的といわれているほか、最近の人民元の対米ドルレート上昇が、利上げ効果をある程度代替している。

こうした背景下、人民銀が利上げに踏み切るタイミングは難しく、まずは預金準備率引き上げを選んだとみられる。人民銀の預金準備率引き上げは08年に入って2回目、07年から数えると12回目で、今回の引き上げによって預金準備率は過去最高となる。

今後の引き上げの可能性について同アナリストは「08年のマクロ調整目標を達成させるためには、さらに2．5ポイントの引き上げが必要だろう」との見方を示した。（翻訳・編集/HI）