人民網日本語版 2017年3月16日(木) 15時50分
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日本の調査会社・富士経済グループがこのほど発表した統計によると、2016年には日本の中国向け越境EC市場の規模が初めて1兆円を超えたという。日本は今や米国と韓国を追い抜き、中国越境EC市場における最大の商品供給国になっている。
2012年12月、中国の国家発展改革委員会と税関総署が越境EC貿易のサービステスト事業を全面的にスタートした。上海市や重慶市などの越境EC輸入サービステスト都市を通じ、関連企業の中国への商品輸出プロセスにかかる時間が半年間から最短で1カ月に短縮された。日本の健康食品会社の代表は当時、「上海のEC協力パートナーのおかげで、自社製品のオンライン売上高は実体ある代理店の10倍以上になった」と話していた。
次は、訪日中国人観光客の大量買い「爆買い」の熱が冷めたことが、日本の対中越境EC産業の急速な発展を後押しした。日本の観光庁が行った「訪日外国人消費動向調査」によると、16年7〜9月の中国人観光客の平均消費額は10万2000円で、3四半期連続の減少となり、「爆買い」のピークだった15年1〜3月の17万7000円に比べて40%減少した。中国人観光客は買い物ではなく異国文化の体験により多くの時間を割くようになった。日本のビジネス界では、「『爆買い』が下火になったことは中国市場の縮小を意味しない。所得水準の向上にともない、中国人消費者の化粧品やマタニティ・ベビー用品といった質の高い日用品へのニーズは引き続き拡大している」との見方が広がる。日本の経済産業省は今夏に日中間ビジネス流通分野の経済協力対話を開催する計画で、越境ECの発展を積極的に推進するとしている。
中国の2大オンラインショッピングモールの天猫国際(Tmallグローバル)と京東商城が相次いで日本館を開設し、日系企業数百社が出店した。日本の大手物流企業と中国の主要ECプラットフォームも協力を展開し、日本企業の中国EC事業に向けてサイト開設から商品輸送に至るオールインワンサービスを提供する。物流企業・佐川急便株式会社を擁するSGホールディングスは東京・品川に越境EC貨物の処理に特化した倉庫を建設し、これにより最短4日で中国に貨物を送れるようになった。
日本の高級百貨店・三越伊勢丹は昨年11月に天猫国際に出店し、主に婦人服・アクセサリー、ベビー・子ども服、生活雑貨を扱う。同社の広報部門によると、ネット店舗の販売価格は日本の販売価格の1.2〜1.3倍という。日系企業の多くは「中日同一価格」でEC事業を拡大しており、かつて盛んだった在日中国人の代理購入ビジネスは昨年以降、徐々に姿を消しつつある。
日本貿易振興機構(ジェトロ)ものづくり産業部生活関連産業課の草場歩課長代理は、「従来の取引モデルに比べ、中国の越境EC事業は消費者の口コミへの依存度がより高い。日系企業はソーシャルメディアを利用してブランドの影響力を高めることを学ぶべきだ」と指摘する。花王は昨年、中国のネット有名人である母親たちを招待して日本の紙オムツ工場での製造過程を実際にその目で見てもらった。その後、ソーシャルメディアで製品の使用体験が発信され、広く共有されるようになった。三越伊勢丹はECを販売の新たな成長源とみなすと同時に、これまで中国で開設した複数の実店舗にアフターサービスを強化するよう求めている。(提供/人民網日本語版・編集/KS)
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