韓国はTHAAD配備を瀬戸際で踏みとどまるか―中国メディア

人民網日本語版    2017年3月23日(木) 7時30分

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韓国聯合ニュースによると、韓国最大野党の「共に民主党」は17日、米国のミサイル防衛システム「THAAD」の韓国配備への反対をさらに強めた。

韓国聯合ニュースによると、韓国最大野党の「共に民主党」は17日、米国のミサイル防衛システム「THAAD」の韓国配備への反対をさらに強めた。共に民主党の禹相虎院内代表は、中国とロシアの同意を得るまでミサイル防衛システムの配備を延期するべきだと表明した。韓国では近く大統領選が行われる。韓国はTHAAD問題において瀬戸際で踏みとどまり、より賢明な選択をすることができるのか否かに北東アジア各国、さらにはアジア全体が注目している。(文:薜可炎。人民日報海外版掲載)

■配備反対の声は止まず

英ロイター通信の17日の報道によると、現在大統領選の最有力候補である文在寅氏の上級顧問・崔鍾勲氏は、THAAD配備の決定はあまりに雑であり、文氏が大統領に当選した場合、配備問題を再考すると述べた。

THAAD配備を問題視している候補は文氏が初めてではない。現在世論調査で3位の安哲秀氏は、THAAD配備の決定について政府は国民に詳しく説明するとともに、中国と協議するべきだと考えている。同氏の属する「国民の党」は、国会の同意を経ずにTHAAD配備を開始した政府の行為を違憲としている。

韓国民衆のTHAAD反対の声も止まない。AFP通信の18日の報道によると同日、慶尚北道星州郡で韓国の民衆約2000人がTHAAD配備に抗議するデモを行った。今月初めにも民衆数百人がTHAAD配備地である星州郡のロッテのゴルフ場でデモを行った。

■当初の考えと反対の結果に

韓国では朴槿恵氏が弾劾されて失脚したことを受け、5月9日に大統領選挙が行われる。朴氏の政治的失敗により、右翼政党の候補者の勝算はほぼゼロだ。また、朴政権によるTHAAD配備協定調印も左翼勢力候補から問題視されている。中国政法大学国際政治学部長の李群英教授は本紙の取材に「左翼政党は政治的主張において、朝鮮との関係緩和及び米中韓三カ国間で政治的バランスをとることを主張している」「次期大統領は就任後朝鮮、中国、米国、ロシアとの関係を調整するだろう」と指摘した。

経済的下降もTHAAD配備拒絶の要因だ。韓国商報の以前の報道によると、韓国の権威ある経済シンクタンクIBK経済研究所の報告は、THAADが韓国経済に大打撃を与えたことを示している。THAAD配備による韓国の経済的損失は約16兆9000億ウォンに達し、経済成長率は1.07ポイント低下。

THAADの韓国搬入に民衆も懸念を抱いている。AFP通信はデモ参加者が「THAADはいらない、平和がほしい」とのスローガンを高く掲げていたことを指摘した。彼らはTHAAD配備が民衆に安全をもたらすどころか、反対に現地が朝鮮の主要攻撃目標になると考えている。民衆はまた、THAADシステムが強い放射線を発し、住民の健康を脅かすのではないかと疑問を抱いている。

■交渉再開こそが最善の策

共同通信社の以前の報道によると、THAADシステムはすでに今月7日韓国に到着。関係筋は、1、2カ月以内に運用開始との見通しを示した。大統領選の日時はすでに決まっている。もしTHAAD配備が黄教安氏の大統領代行中に既成事実となった場合、新大統領は就任後THAADを停止または廃棄できるのだろうか。李群英氏は、THAADが予定通り配備を完了した場合、たとえ新大統領が状況を一変させることを望んでも、THAAD廃止の直面する一連の手続き上の問題のため結果を変えることは困難だ。

「事実上、THAADの韓国搬入及び米韓が絶えず実施する大規模軍事演習は、中距離ミサイル発射によって応じるよう朝鮮を後押しするだけだ。したがって、朝韓問題解決の効果的手段では全くなく、反対に朝鮮半島の関係を悪循環に陥れるだけだ」と李氏は指摘した。

地域の平和・安定維持には双方の共同努力が必要だ。朝韓が現在抱える問題の解決を望むなら、六カ国協議再開が最良かつ最も実効性ある手段だ。「関係各国が交渉のテーブルに戻り、平和的方法で朝韓問題を解決することを希望する。これは朝韓両国の未来だけでなく、北東アジア各国さらにはアジア全体の安全と発展にも関わるからだ」と李氏は語った。(提供/人民網日本語版・編集/NA)

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