Record China 2017年4月9日(日) 17時50分
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中国人観光客の日本でのレンタカー利用について、レコードチャイナ編集部はその実態を追った。資料写真。
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中国の交通問題に詳しい松澤淳氏によると、中国の自動車1万台当たりの交通事故死者数はかなり高い水準にある。日本が0.53人であるのに対し、中国は2.5人。約5倍という大きな差だ。
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中国で自動車事故が多い理由について、松澤氏は「新米ドライバー」と「だろう運転」の2つを大きな原因として挙げる。中国の2012年の統計では、運転歴3年未満というドライバーが全体の約30%を占め、そのうちの約30%が事故全体の33%を引き起こしていた。そして事故が多い原因の1つに安全確認不足があるが、「だろう運転」はよく見られる運転癖という。日本の一部ドライバーにも見られる運転行動だが、これは「自転車や歩行者は自分の車が近付けば車を避けるだろうから事故は起こらないだろう」という自分勝手な運転。前方の信号が黄色に変わる時に「前を走る車は停車しないだろう」と決めつけてアクセルを踏み込み追突してしまうという事故も後を絶たない。同氏はさらに、「事故を起こさないようにするためには『子どもが飛び出すかもしれない』『前の車が急停車するかもしれない』といった『かもしれない運転』が望ましいが、そうした安全運転教育が中国のドライバーには不足している」とも指摘する。
では、公共交通機関が発達している日本で、中国人観光客がわざわざ外国の運転免許証を「購入」するのはなぜだろう。
日本でのドライブ旅行についてシリーズ第2回で紹介した王さんは「通常の旅行より費用がかかる」と説明する。本人によると、「国際運転免許証(IDP)の手続きや日本での駐車料金、通行料金、ガソリン代などとても高かった」。日本は高級車を借りることができる欧米と違い、車の選択肢が少なかったことも不満だったようだ。実際の運転については「日本の交通ルールはとても厳しいと友人から聞いていたから用心して運転した」とコメント、トラブルに遭遇するようなことはなかったという。
われわれは王さん以外の数人にも日本でのレンタカー利用について話を聞いた。彼らから返って来た答えをまとめてみると、通常、東京のような大都市での移動に最も適しているのはやはり公共交通機関。しかし、温泉や史跡といった観光スポットが街から離れているケースは少なくない。そこで「自分で運転できたら移動手段に悩まなくて済む」という考えが浮かぶようだ。車内で気兼ねなしに家族や友人と雑談することだってできる。公共交通機関はいつも人でいっぱいで、子どもやスーツケースに気を配る必要があるが、レンタカーならこのような心配も無用だ。「爆買い」した品々をトランクに積んで移動でき、レンタカー代などを同行者と分担して交通費負担を減らすことが可能な場合もある。
今回の取材を通して、日本でレンタカーを借りるために「特殊ルート」を利用する中国人観光客、そしてそれを提供する業者がいることが明らかになった。日本はこれをどう見るべきか―。2016年の訪日中国人客は637万3000人と初めて600万人を突破した。日本政府が中国人向けのビザ緩和策を講じる中、日本を訪れる中国人観光客は今後も増加すると思われる。中には王さんのように「日本でレンタカーを運転したい」と考える人もいることだろう。受け入れ側として最も懸念されるのが彼らによる自動車事故だ。政府はこのリスクに対する何らかの安全対策を打ち出すのだろうか。(取材・編集/レコードチャイナ編集部)
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