<コラム>安倍内閣がヒトラー「わが闘争」の教材使用を容認、中国メディアが「日本のネット民もあきれている」と報じる背景

如月隼人    2017年4月18日(火) 15時30分

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中国の大手ポータル/ニュースサイトの新浪網は18日、「ヒトラー『わが闘争』が日本で教材に、ネット民:政府は発狂した」と題する記事を掲載した。資料写真。

中国の大手ポータル/ニュースサイトの新浪網は18日、「ヒトラー『わが闘争』が日本で教材に、ネット民:政府は発狂した」と題する記事を掲載した。

日本政府は14日の閣議でナチス・ドイツの独裁者ヒトラーの自伝的著書「わが闘争」の教材使用について、「教育基本法等の趣旨に従っていること等の留意事項を踏まえた有益適切なものである限り、校長や学校設置者の責任と判断で使用できる」とする答弁書を決定した。

新浪網が掲載した記事は「わが闘争」について、ヒトラーの経歴や世界観が書かれた書物であり、敗戦後のドイツではナチスの思想宣伝書として、ドイツ、ロシア、アルゼンチンなど多くの国で出版が禁止されてきたと紹介。さらに、ドイツの場合には2016年に批判的論評を加えた上で改めて出版されたが、大きな論争が発生したと解説した。

記事は最後の部分で、「わが闘争」についての答弁については日本国内で大きな論争と疑問が発生していると報じ、日本のSNSには「本当に狂っている」、「これは世界の敵、人類の敵。世界にどんなシグナルを送るのか分かっているのか。信じられない。許せない」といった声があると紹介した。

日本における反応を確認するためにツイッターで「わが闘争」に関連する書き込みを検索したところ、閣議決定に対して強く反発する意見が多いが、「なんでもかんでも戦前回帰に結び付けて、逆に憲法で保障された自由を規制強化」、「ある教授が学生に書名著者名伏せて『わが闘争』読ませて感想文書かせた。反応は絶賛多数(中略)使い方次第なんだよ、どんな資料も」などと書き込む人もいる。

さらに「『使えない』と出来る法的根拠が無いのに、政府が勝手に『使えません』なんて答えられるわけ無いでしょう」といった意見もあり、日本のSNSの状況は中国における報道のように批判一辺倒ではない。

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