Record China 2008年4月16日(水) 20時4分
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現在、「町中が工事現場」といってもいいくらい、あちこちで工事が行われている北京。だが、北京五輪期間中は一切ストップ、となりそうだ。写真は五輪メインスタジアム、通称「鳥の巣」。
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現在、「町中が工事現場」といってもいいくらい、あちこちで工事が行われている北京。だが、北京五輪期間中は一切ストップ、となりそうだ。
14日、当局が発表した政策によると、7月20日以降、北京市内の土木工事やセメント作業、緑化工事等は全て停止するとともに、期限までに完成できない工事については、今後、施工許可を出さないということだ。
これは心配されている北京五輪期間中の大気の質を確保するための措置で、パラリンピックが終わる9月20日まで実施される。
個人的な体験となるが、私が籍を置く国営ラジオ局では去年から、別棟になっている食堂の改築工事が行われると予告されていた。だが、工事開始の予定時期になっても、なかなか工事が始まらない。最終的に3月末からスタート、という知らせが来ていたが、結局、それも当局の許可が下りず、頓挫することになった。担当者によると「オリンピックまでお預け」ということのようだ。7月20日までに完成できない工事は、今後全くスタートできなくなる、というわけだ。
もちろん、この施策は、北京の大気の質向上を目指したものだろうが、少しうがった見方をすれば、工事作業員の大部分を占める地方出身者の対策、という可能性も否定できない。現在、あちこちで行われている工事に携わる作業員はほぼ全て地方からの出稼ぎ者。工事がなくなれば、必然的に彼らは北京を出て、故郷に帰らざるを得ない。
ある情報通は「北京五輪期間中、引越しはできなくなる」と私に教えてくれた。まさか、引越し禁止が大気汚染対策にはならないだろうに、と思いきや、その理由は『期間中、出稼ぎ者がいなくなるから』なのだそうだ。引越し業者の作業員も地方出身の出稼ぎ者がほとんど、という現状があるからだ。
すでに当局は期間中に出稼ぎ者を北京から強制的に追い出す措置はしない、と言明しているが、仕事がなくなって帰省せざるをえなくなるという人は大勢生まれるのかもしれない。「引越しが出来ない」という話が実しやかに流れるのも、あながち根拠のないうわさではないように思える。
<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>
■筆者プロフィール:朝倉浩之
奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。
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