人民網日本語版 2017年7月15日(土) 5時20分
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17年、日本の株価は上昇を続け、企業の収益状況も好転し始めたが、中国の関連企業がタカタ買収に乗り出し、東芝は深刻な経営危機に陥るなどして、人々に「家電産業などにおいて日本企業は困難に見舞われている」と強く感じさせている。写真は中国の家電量販店。
2017年になると、日本の株価は上昇を続け、企業の収益状況も好転し始めたが、中国の関連企業がタカタの買収に乗り出し、東芝は深刻な経営危機に陥るなどして、人々に「家電産業、デジタル産業、半導体産業、自動車部品産業において、日本企業は困難に見舞われており、苦境から抜け出すのは容易ではない」と強く感じさせている。環球網が伝えた。(文:陳言・日本企業<中国>研究院執行院長)
実際には日本企業の技術革新の歩みは遅くない。ではなぜ家電、デジタル、半導体で負け続けるのか。一連の自動車部品メーカーも経営困難に陥るのはなぜか。
経済学には「技術核心の落とし穴」という考え方がある。それまでの成果を覆すような破壊的技術が開発され、技術革新が行われると、それまでトップレベルの技術力を備え、高性能・高品質の製品を生産し、市場を独占していた(大規模)企業が、あっという間に草木が枯れ果てるように低迷する。こうした一瞬で独占的地位を失い市場から追い出されるプロセスは、企業が技術革新の落とし穴にはまったものと説明される。
たとえば家電産業ではこうだ。東芝やパナソニックの製品は確かに優れているが、価格が非常に高い。世界各地で販売されるが、現地の消費の特徴に合致しているとは限らない。今のインドなどではしょっちゅう停電が起こり、中国人も停電をたびたび経験しているが、日本の家電メーカーはよく停電が起こる国向けに蓄電能力を備えた冷蔵庫を作るということはしない。世界の主な国には蓄電タイプ冷蔵庫のニーズがないからだ。日本企業が高品質と言う場合は容量の大きさや音質の良さをアピールすることが多く、これは改良型の革新であり、消費者が本当に求める機能はなかなか理解されない。
また日本の家電メーカーをはじめとする企業は中国での現地生産を基本的に達成したが、中国で高い市場シェアを保ててはいない。これは日本企業が2つの大問題に直面しているためで、1つはコスト面で中国現地企業と競争にならないことだ。中国のあまたの郷鎮企業(農村企業)が製造する家電製品は、品質の点でハイレベルとはいえず、ブランドもないが、とにかく安い。この安さは日本の家電メーカーが二線都市、三線都市に進出できず、農村で郷鎮企業と競争できない原因の一つといえる。もう1つは、確かに中国では中産階級が拡大を続け、日本企業も中産階級の消費者を増やし続けているようにみえるが、中国の中産階級拡大プロセスでは、中国現地企業の技術的進歩も大きく、生産された製品は経済的に優れているだけでなく、品質も信頼できるものになっているということだ。このように中国現地企業が低コストからスタートして、品質の絶えざる向上で成功を収める過程を後目に、日本企業は中国で現地企業と競争する力を失っていった。
コスト競争で勝てなければ、市場シェアで成功を収めるのはより難しくなる。日本企業はしばしば高性能の製品を開発するが、市場での「爆発的な普及」を達成するのは難しい。特にデジタルと通信が一体化すると、世界には「微信」(WeChat)、「微博」(ウェイボー)、ツイッター、フェイスブックなどの新商品が登場したが、こうした分野では日本企業の姿はほとんどみられない。日本の法律には非常に硬直的な側面があるのは確かだが、微信やツイッターの日本での普及が禁止されているわけではない。日本企業は国内外市場での急速なシェア獲得をめぐって何の目新しい工夫もなく、こうした方面での技術競争で敗退を余儀なくされている。
現在、日本も世界で高速鉄道という社会インフラを強くアピールするが、振られる旗にはやはり「高品質」と書いてある。日本の高品質で東南アジア諸国のニーズを満たせるのか、中国と競争しながら主要市場を先に奪うことができるのか。日本企業が技術革新をめぐって遭遇した落とし穴は、決して楽観できるものではないといえる。(提供/人民網日本語版・編集KS)
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