如月隼人 2017年7月19日(水) 21時20分
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中国共産党は今年(2017年)秋、5年に1度の全国代表大会(党大会)を開催する。この党大会で、「ポスト習近平」となる次期政権担当者が決まる可能性が極めて高い。写真は中国共産党および中国政府の中枢がある中南海。
中国共産党は今年(2017年)秋、5年に1度の全国代表大会(党大会)を開催する。この党大会で、「ポスト習近平」となる次期政権担当者が決まる可能性が極めて高い。現在も流動的な面が大きいが、中国の次期政権を占ってみたい。
◆中国共産党の「権力ピラミッド」、5年に1度の党大会で地位が決定
まず理解せねばならないのが、中国共産党の権力ピラミッドだ。トップは総書記。その下に、中央政治局常務委員会がある。現在は7人で、習近平総書記も常務委員の1人だ。その下の中央政治局委員会は中央政治局常務委員会を含む組織だ。つまり中央政治局委員会の中には常務委員と、1つ格下の「非常務委員」が存在する。非常務委員の人数は約20人だ。
さらにその下には、中央委員会がある。中央委員会は「委員」と「候補委員」で構成される。両者のうち、格上である「委員」は約200人だ。そして、総書記、中央政治局常務委員、非常務委員、中央委員会の委員と候補委員が決まるのが5年に1度の党大会だ。
◆年齢制限が大きな関門、今年秋に決まる次期政権担当者は57歳以下の人物の見込み
共産党のトップに登りつめるためには、もう1つの関門がある。年齢制限だ。現在のところ党大会開催の年に満68歳に達していれば「引退」することが慣例になっている。そして、総書記が2期連続の10年間を務めることも慣例になっている。つまり最初に就任する党大会の年に62歳までの人物しか総書記には就任できないことになる。それならば5年後の党大会時には67歳以下で、2期連続が可能になる。
さらに、新しい総書記(国家主席)と首相は、その5年前の党大会で中央政治局常務委員に就任することも慣例になっている。つまり、今年秋の党大会で57歳以下、つまり1960年以降に生まれた少なくとも2人が中央政治局常務委員に就任し、「習近平後」の総書記や首相を務めることになる。
今年の党大会では、さらに特別な事情もある。「定年制」を適用すれば、習近平総書記と李克強常務委員(首相)以外の5人はすべて退任せざるをえないことだ。退任する5人を埋めるのは、だれなのか。
非常務委員から常務委員に昇格する可能性が高い人物には、汪洋氏(1955年生まれ、副首相)、栗戦書氏(50年生まれ、党中央書記処書記)、王滬寧氏(55年生まれ。中央政策研究室主任)劉奇葆氏(53年生まれ、党中央書記処書記)、趙楽際氏(57年生まれ、党中央書記処書記)などがいる。しかし、いずれも50年代生まれであるため、「ポスト習近平」の担い手にはなれないはずだ。
◆習近平政権は自らの腹心を抜擢
非常務委員で60年以降に生まれたのは、孫政才氏(63年生まれ、共産党重慶市委員会前書記)と胡春華氏(63年生まれ、共産党広東省委員会書記)だけだ。ところがこの2人には不利な点があった。胡錦涛前書記に近い立場であることだ。習近平総書記は就任以来、江沢民元総書記と胡錦涛前総書記とつながりのある人脈を断ち切ろうとしてきた。そして「自らの腹心」を抜擢しつづけた。
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