中国人女性が語る、日本人上司が気づいていない上司の魅力

月刊中国ニュース    2017年8月6日(日) 14時50分

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中国では古代から、孔子の儒教の思想に基づいて、「君臣有義」という伝統的倫理観を元に上司と部下との関係が定められてきた。組織に忠誠を尽くすというよりも、リーダーとの個人的関わりのほうに一体感を覚えやすい。資料写真。

6月の中国のスポーツニュースを見ていたら、あるショッキングな記事が目に飛び込んできた。四川省・成都市で開催した卓球の中国オープンで、男子世界ランキング1〜3位の馬龍樊振東、許[日斤]が試合の途中で突然棄権したというのだ。この勝手なボイコットに対して、政府の体育総局は直ちに厳しく非難する声明を発表。「試合放棄はプロ選手としての道徳と品行、国家の栄誉と利益を全く顧みず、観客や試合相手も尊重しない間違った行為だ」と断じていた。世界に君臨してきた卓球世界の王者たちは、一体なぜ自分と国家の利益を捨てることも辞さない覚悟で、試合放棄をしたのだろうか。(文/李年古)

なぜ、世界の卓球王者らは勝手に試合放棄したのか?その理由は、中国人の卓球ファンなら誰でも知っている。それは、組織改革という名目で体育総局が選手たちの愛する劉国梁・男子卓球の総監督を突然異動させたことに対する抗議だった。

事実上の解任と見られるこの出来事を受けて、同日夜、男子選手は一斉にSNSを通じて「今は試合を進める気がない。ただ、劉監督を思うばかりだ」という緊急声明を発表した。

選手たちはこの一連の行動が上から「厳重に処分」されるだけでなく、生涯をかけて手に入れた個人の栄誉と利益を一瞬のうちに失うリスクを背負うことも覚悟していたようだ。そこまでに過激な行動に走らせた考え方の背景には、中国人によく見られるある価値観がある。つまり義理を重んじる属人的な性格に由来するのだ。選手たちにとって上司となる監督は家族の兄貴か父親のような存在であり、その親分を守るために、皆自分の損得を捨てても闘うべきだと思っていたに違いない。

興味深いのは、今度の出来事に対する一般市民の反応をサイト上で検索してみると、多くの人は選手たちの「兵諫(へいかん=武力を使って主君をいさめること)」行動を応援している。兵士が、自分の愛する将軍の不平処遇に直面してたとえ戦意を失ったとしても、心情的に理解できると思われているようである。

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