Record China 2017年8月21日(月) 5時0分
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中国メディアの新浪網は18日、中国空軍は侵攻型の能力獲得を目指しており、そのために空中給油の能力向上が必須とする論説を発表した。中国でしばしば見られる、極めて好戦的な主張を展開する論説だ。資料写真。
中国メディアの新浪網は18日、中国空軍は侵攻型の能力獲得を目指しており、そのために空中給油の能力向上が必須とする論説を発表した。中国でしばしば見られる、極めて好戦的な主張を展開する論説だ。
記事は、中国空軍はすでに、敵の侵入に備える自衛部隊ではなく、中国大陸の沿岸から1000キロメートル以上の距離がある目標に対する作戦能力が必要となると主張。そのため、航続距離確保のために空中給油が重要と論じた。
また、自国外への航空兵力による威圧の効果としては、爆撃機のH−6(轟−6)や戦闘機のJ−11(殲−11)などの主力作戦機を飛ばすことで「日本を大いに慌てさせている」と紹介。「この種の訓練は解放軍が空軍を通じて日本本土を戦火に巻き込む能力があることを十分に証明している。第二次世界大戦における、日本にとって身を切られる痛みであった米軍の爆撃戦略を思わせるものだ」と論じた。
記事は、自国の状況について2016年にロシアからIl−78(イリューシン78)空中給油機4機を購入したと紹介し、輸送機のIl−76を数十機購入したよりも重要な措置だったと論評。空中給油により戦闘機や爆撃機の行動範囲を広げることで作戦対象の視野に入ってくる目標としては、グアムやフィリピンにおける米国の軍事施設や、南シナ海の島を挙げた。
記事はさらに、空中給油には「フライングブーム」と「プローブアンドドローグ」の2方式があると紹介。「フライングブーム」は剛性のあるパイプ(ブーム)を用いる方法で、主に空中給油機側がパイプの動きを操作して自機の下後方に接近した航空機に給油する。「プローブアンドドローグ」は比較的新しい方法で、給油機側が柔らかいホース(ドローグ)を垂らし、給油を受ける航空機が自機の位置を調整する。
新浪網は、中国の空中給油は最新鋭戦闘機であるJ−20を含めてフライングブーム式を採用と紹介。同方式には安定性がよく操作が容易で、天候や気温の影響も受けにくいなどの長所はあるが、給油システムが複雑で整備も難しいと指摘。さらに同方式では1度に1機に対する給油しかできないが、プローブアンドドローグ式ならば、構造が簡単な上に同時に複数機への給油もできると紹介。給油の操作は複雑だが、装置が単純なので給油を受ける側の重量も減らせる点も重要と指摘した。
記事は、自国で開発された輸送機のY−20(運−20)をベースとした空中給油機を作り出すことにより、現在は不足している空中給油機の問題を解決できると主張した。
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◆解説◆
中国では、一般的なメディアでも極めて「好戦的」な論調で軍事を扱う場合が珍しくない。この点、「軍事力の行使はやむをえない場合に限られる」との発想が土台にある日本のメディアとは大きく異なる。
日本の場合、第二次世界大戦に敗れた影響で、軍事を「忌避」する雰囲気が強くあった。「軍事については考えることも語ることも許されない。これは異常だ」との批判が出たほどだ。現在もかつてほどではないが、軍事を安直に考えることを問題とする雰囲気はある。
一方、中国では、「清朝末期から始まった外国勢力の侵入、とりわけ最も長期にわたり最も深刻だった日本の侵略を『力』ではねのけたのが、中国共産党だった」と説明されることが一般的だ。そのため、一般大衆が自国の軍事力行使に対して反省する機会はなかったと言える。結果として、一部ではあるが極端な愛国論調や好戦的論調を読者獲得のための売り物にしているメディアも存在する。(翻訳・編集/如月隼人)
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