爆買い熱が冷めた中国人観光客、日本や欧米での最新の関心事は?―中国メディア

BRIDGE    2017年8月24日(木) 18時10分

拡大

中国国家旅遊局の統計によると、2017年上半期に海外に出掛けた中国人旅行者は前年同期比5%増の6203万人に達した。資料写真。

中国国家旅遊局の統計によると、2017年上半期に海外に出掛けた中国人旅行者は前年同期比5%増の6203万人に達した。「年に1回は海外旅行」という家庭も少なくないという。中国人の生活に「海外」がより身近となる中、旅先での関心事にも変化が発生。新華国際は22日付の記事で中国人観光客のフランス、米国、日本における最新の楽しみ方を紹介した。

▼フランスは子ども向けクラシック音楽鑑賞

記事によると、テロによる打撃を受けたフランス観光業界は昨年末から回復が見られ、今年1-4月にパリ一帯を訪れた中国人観光客は前年同期に比べ40.4%増加、個人旅行の比率は43%に達した。2019年にはこの比率が50%に上昇すると予想されており、現地の観光業界関係者は「フランスを訪れる観光客はより個性的な旅を求めている」とコメント。訪仏旅行市場ではオーダーメード商品が人気を博しているそうだ。実際に現地でこのサービスを提供している博物館解説員の女性は「夏の時期はとても忙しい」と話し、先日も広東省深セン市からやって来た子どもたち向けの「フランス人文・芸術ツアー」を実施したと紹介、博物館や観光スポットを見学するだけでなく、教会でのクラシック音楽鑑賞やフラワーアレンジメント体験もコースに取り入れたという。

一方、フランスでのショッピングは庶民派ブランドに関心が集まるようになり、高級ブランドブームは以前に比べ衰退。ただミシュランガイドに選ばれた店で多くの中国人観光客が見掛けられるなど、現地のグルメを文化を知る一つの方法として重視する人が増えているようだ。

▼米国で「ウイスキー蒸留所を巡る旅」

フランスと同じような変化は米国でも起きている。訪米中国人観光客の一人当たりの平均消費額は訪米外国人観光客の中でトップクラスの2000ドル(約22万円)だが、最近の関心事は以前見られた「高級ブランドの爆買い」から「文化体験」へとシフトしている。北京でバーを経営する男性は2年連続で米国を訪れているが、男性が実行したのは「ウイスキー蒸留所を巡る旅」だ。大勢の観光客が押し寄せる観光地に興味はなく、穴場的スポットやアクティビティーを求めているという。

米国の観光業界関係者も「過去にニューヨークを訪れた中国人観光客はほぼお決まりのコースを巡っていたが、最近は多くの若者がレンタカーでオリジナルの旅を楽しんでいる」とコメント、ここでも現地の生活をより深く知ろうとする中国人観光客は増えている。

▼日本は「浴衣、茶道、人力車体験が増加」

日本政府観光局(JNTO)が16日発表したデータによると、今年7月の訪日中国人客は前年同月比6.8%増の78万800人に達し、国・地域別でトップとなった。ただ、訪日外国人消費動向調査(平成29年4-6月速報値)で明らかになった中国人1人当たりの旅行支出額(22万5485円)は英国、イタリアに次ぐ3位。東京にある大型家電量販店の関係者は「以前のような爆買いは減った。おととしは温水洗浄便座と炊飯器、去年はマスクやドライヤーなどが大人気だったが、今年はこういった商品を買う中国人観光客は少ない」と話している。

かつてのような買い物ブームは影を潜めたものの日本でも「体験」に目を向ける中国人観光客は多く、日本で旅行会社を経営する人物は「最近は個人旅行という形で異国文化を楽しみたいと考える中国人観光客が増えている。若い旅行者は免税店に行く時間を削って景色や美食、さまざまな体験を楽しみたいようだ」と解説する。この会社では今年4月、花見ツアーに参加する観光客が大幅に増えたとのことだ。また、東京・浅草のある文化体験教室の講師は「今年は浴衣、茶道、人力車を体験する中国人観光客が増えた」と説明。同氏も「日本文化を体験したいと考える中国人観光客は大勢いる」と指摘している。(提供/Bridge・編集/Yamaguchi)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携