中国の90年代生まれの若者、日本軍側の戦争史料を基に日本軍の暴行を暴露―中国メディア

人民網日本語版    2017年9月20日(水) 21時20分

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江紫辰さんは1994年に中国で生まれ、今年の9月に「中国を侵略した日本第6師団の南京戦役及びその暴行に関する実録」という自身初の書籍を出版した。

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江紫辰さんは1994年に中国で生まれ、今年の9月に「中国を侵略した日本第6師団の南京戦役及びその暴行に関する実録」という自身初の書籍を出版した。

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出版を担当した中国重慶出版社の劉嘉主任は、「これまで出版されてきた抗日戦争の歴史を研究する書籍のほとんどは中国軍の史料を使用し、中国人の視点から抗日戦争を見るものであったが、これに対し、江さんが日本軍の戦争史料を大量に収集し、日本軍史料の角度から日本軍の暴行を暴露したことは、抗日戦争史の研究における空白部分を埋めたといえる」と語った。

▽日本軍の戦争史料で日本軍の暴行を暴露

2009年、当時15歳の江さんはテレビで中国の抗日戦争を語るドキュメンタリーを偶然見て、その見知らぬ戦争や人物に好奇心を持った。彼は一年かけて中国の抗日史料を大量に読み込んだあと、友達に頼んで日本軍の戦争史料を収集・購買し始めた。江さんを激しく憤らせたのは、一部の日本軍の戦争史料が侵略戦争を美化して南京大虐殺の事実を歪曲していたことだ。

1937年の南京戦役の期間中、2万人以上の日本第6師団(熊本師団とも呼ばれる)は谷寿夫団長の許可の下で、南京の数十万人の市民を虐殺した。日本の降伏後、乙級戦犯として南京で裁判を受け銃殺刑に処された谷寿夫だが、1960年代に日本が出版した「熊本兵団戦史」という本の第二巻「熊本兵団戦史―支那事変」は、第6師団や谷寿夫団長が無罪だと指摘した。

南京大虐殺について詳細かつ正確に記録した『揚子江が哭いている ―熊本第六師団大陸出兵の記録』という本で、第6師団第13連隊の真田一介は、「日本軍は南京城を攻め始めてから占領するまで、ほとんど毎日城内外で虐殺をしていた。虐殺とは、すべての住宅を漏らすことなく燃やし、すべての市民を殺すということだ」と回想している。

▽抗日戦争をミクロな視点から考える

江さんがこれらの史料を研究する際に、日本軍の死亡者数を少なめにすることで、日本軍による虐殺の真相を隠し、中国軍の抗日戦争の成果を否定する史料も存在していることに気づいた。

靖国神社が提供する戦没リストを記載している『第47師団史』という本では、第47師団の403人が戦没したとされているが、『弾部隊戦記』という本にある日本軍の兵士が整理して保存したリストによると、第47師団の131連隊だけで625人が戦死した。江さんは、「連隊の死亡者数が師団よりも多いため、靖国神社のデータが明らかに捏造したものだと見られる」としている。

一方、中国軍人が抗日戦争に現れた勇ましい姿に、日本軍さえも感服したという資料もある。『南京作戦の真相―熊本第六師団戦記』には、日本軍は南京戦役後に戦没した中国軍人のために墓碑を立て、さらに、坂井徳太郎が、「敵ではあったが、祖国を守るために戦没した人を尊敬すべきだ」と語ったと記されている。

劉嘉氏は、これまでの抗戦史料では連隊に関するものが不足していたが、江さんが収集した史料は抗日戦争をミクロな視点から考えることを可能にしたと語った。

▽抗日戦争に参加した中国軍人の勇ましさを覚えてもらいたい

2015年、当時21歳だった江さんは友達の呉さんと共に、南京防衛戦に関する本を完成させたが、結局50社ほどの出版社に断られた。ネットユーザーは、「書いた以上は、ほかの中国人に伝えるべきだ。断られても何の損もない。出版される日が必ず来る」と彼らに励ましのコメントを寄せた。

その後、五カ月を経て、32万字の「中国を侵略した日本第6師団の南京戦役及びその暴行に関する実録」が出版された。多くの民間の抗戦史研究者と接触した経験のある劉嘉氏が、この本に隠れた価値を見出した。それは、日本軍の戦争史料を用いて、南京大虐殺への日本右翼勢力の否定を反撃することが、非常に説得力があるということだ。

現在、淞滬会戦と百団大戦の歴史に関して最も全面的に研究された本を出版し、中国人に中国軍人の勇ましい姿を覚えてもらうという大きな夢を抱いている江さん(23)は、数カ月後、「南京防衛戦全史」を出版する予定だ。これで彼は夢に向かって一歩近づくことができたといえる。(提供/人民網日本語版・編集HQ)

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