「なぜ私は日本人なんだ」=南京に渡った日本人の苦悩―中国コラム

Record China    2018年7月11日(水) 15時50分

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8日、中国版ツイッター・微博は「もう81年たった、日本人は南京でどのように暮らしているのか」と題したコラムを掲載した。写真は南京。

2018年7月8日、中国版ツイッター・微博(ウェイボー)は「もう81年たった、日本人は南京でどのように暮らしているのか」と題したコラムを掲載した。以下はその概要。

ロシアで行われているサッカーW杯で、日本人サポーターのごみ拾いが話題になった。日本人は国際社会で「マナーがあり素養が高い」という印象を持たれることが多い。しかし、中国人は日本人に対して複雑な心情を持っている。日本人の素養の高さに感服する一方で、過去の歴史の傷はいまだに癒えていないのだ。

中国青年報の2017年1月の報道によると、当時南京に定住していた日本人は500人前後だと南京市政府が発表している。約4万人の日本人が住む上海と比べるといかに少ないのかがわかる。

1937年の南京事件という過去の痛ましい歴史は、日中両国の人にとって重苦しい記憶となっている。日本のネット上では「南京に行ったら石を投げられそう」「南京に行って生きて帰れるか」などの書き込みも確認できる。一部の意見かもしれないが、身の危険を考慮して南京を敬遠する日本人がいるのは事実だ。

だが、2018年4月に日本の留学生が南京の街頭で道を聞くという実験をした際、現地住民が一様に友好的に接したように、実際は南京では若者に限らず年配者も日本人が想像するほど日本人を敵視していない。南京の街角には日本企業の店があり、現地住民もよく日本料理を利用し、日本車もよく見かけるのだ。

南京で日本料理店を営む日本人男性は、「私は南京出身の女性との結婚を機に南京に定住した。日常で『日本人』ということが問題となることはないが、妻と結婚する際に頭を悩ませた。義父義母は私との結婚に断固反対し、その当時『なぜ私は日本人なんだ』と苦しんだことを覚えている。現在では受け入れてもらえたが、日中の歴史や私の国籍については暗黙の了解で誰も口にすることはない」と語っている。

さらに、ある日本人は「南京に留学していた時、出身を聞かれると『韓国人』と答えていた。なぜ日本人と正直に言えないのか、自分でもわからなかったが、南京の戦争関連の博物館で痛ましい歴史を目にし、申し訳なさや恥ずかしさなどさまざまな感情に襲われ、なぜ日本人と打ち明けられないのかが分かった。私は先人に代わって謝ることもできないし、南京に住んでいる日本人も同様の立場だ。南京に定住している日本人は過去の日本人が犯した罪から逃げることなく精一杯に暮らしている」とつづっている。

日本人に対して南京の人たちが過剰に反応するというのは想像の中での出来事であり、現実には存在しない。両国間には忘れることができない歴史がある。だからといって、日本人に対し怒りを覚えたり、日本人が窮屈な思いをして日常生活に支障をきたすようなことがあってはならない。

重すぎるものを肩からおろした方がいいのかもしれない。それは過去を忘れるということではなく、重さを感じながらも前進することだと思う。他人に罪を負わせる権利は誰にもないが、自分に責任を持つことはできる。過去の出来事を無駄にしてはいけない。ただ、過去の重圧に押しつぶされてはいけない。今を生きる人は先人をしのび精一杯生きればいい。(翻訳・編集/内山)

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