韓国の中小企業団体「年間10万人の北朝鮮労働者受け入れを政府に提案」と韓国紙、南北関係の劇的変化先取り?

Record China    2018年6月22日(金) 13時0分

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韓国紙は中小企業団体が年間10万人の北朝鮮労働者受け入れを政府に提案した、と報じた。北朝鮮に対する制裁の解除などハードルは高いが、最近の南北関係の劇的変化を先取りしようとの動きともみられる。写真は北朝鮮の紙幣。

2018年6月22日、韓国の中小企業団体が年間10万人の北朝鮮労働者受け入れを政府に提案した、と韓国紙が報じている。人手不足が理由だ。実現には北朝鮮に対する制裁の解除などハードルは高いが、外貨獲得は北朝鮮には大きな魅力。最近の南北関係の劇的変化を先取りしようとの動きともみられる。

朝鮮日報によると、提案したのは韓国中小企業中央会。同中央会のある役員は「外国人労働者はすでに100万人もいるが、地方では中小企業の工場などで今なお人手不足が続いている」として、「北朝鮮労働者は意思疎通にも問題がなく、外国人労働者よりも勤勉で国内の中小企業全体に活力を与えることができるだろう」と述べた。

現在、同中央会人力本部は法務省の外国人力政策課と実務面で協議中。提案は2006年に廃止された産業研修制度を「北朝鮮労働者産業研修制度」という形で復活させ、北朝鮮労働者を産業研修生(技能実習生)資格で入国させ、4年のビザを与える。当時の制度では外国人労働者は指定された企業でしかけ働けず、他の企業に移ることはできなかった。

今回の提案が受け入れられれば、制度導入から4年後には韓国国内で40万人の北朝鮮労働者が働くようになる。韓国国内では従業員300人未満の中小企業が新たに従業員を採用しようとしても非常に難しいとされる。影響で人手不足の規模は10万人以上、労働時間を短縮した場合は34万人がさらに必要になるという。

核・ミサイル開発から経済優先にかじを切りつつある北朝鮮にとっても外貨稼ぎは、当面の大きな課題。北朝鮮による弾道ミサイル発射実験を受け、16年2月に操業を停止した南北協力事業の開城工業団地では当時5万5000人の北朝鮮労働者が働き、1人当たりの基本給は月75ドル(約8250円)だった。これにさまざまな手当をプラスしても月200ドル(約2万2000円)にとどまっていたが、韓国国内では最低賃金が適用されると、開城工業団地に比べ1人当たりの賃金は10倍に跳ね上がる。

韓国内の外国人労働者の平均賃金は、夜勤の手当込みで月240万ウォン(約23万7000円)。40万人の北朝鮮労働者が受け取れば、収入総額は年間11兆5000億ウォン(約1兆1400億円)に達する試算になる。

北朝鮮への経済協力をめぐり聯合ニュースは、米朝首脳会談などを受けて開城工業団地に進出していた韓国企業の間でも「再稼働の期待が高まっている」と報道。進出企業でつくる開城工団企業協会会長の「遠からず開城団地に戻る道が開かれる。操業再開に向けて準備し、南北経済協力事業を成功に導くことを願っている」との声を伝えている。(編集/日向)

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