<中華経済>ベトナムで株安、インフレ進行、アジア金融危機再燃の懸念を指摘―香港紙

Record China    2008年6月8日(日) 16時26分

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6月8日、香港紙、文匯報はベトナムのインフレと株価下落が深刻化し、タイ、韓国でもインフレが進むなど、1997年のアジア通貨危機を思わせる“負の連鎖”に陥りかねない状況だと指摘した。写真は中国の中央銀行である中国人民銀行。

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2008年6月8日、香港紙、文匯報はベトナムのインフレと株価下落が深刻化し、タイ、韓国でもインフレが進むなど、1997年のアジア通貨危機を思わせる“負の連鎖”に陥りかねない状況だと指摘した。

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この5月、ベトナムのインフレ率は25.2%とここ13年で最悪を記録。さらに株式市場は今年に入り5割もの急落、通貨ドンも3月から2%以上も下げるなど、現時点でのベトナム経済は危機という形容がおおげさでない深刻な状況。いまのところ、ほかのアジア諸国への飛び火は免れているが、韓国、タイでもインフレが進行し、アジア経済の変調は無視できない状態となっている。

中国国際金融有限公司の哈継銘(ハー・ジーミン)主席エコノミストは、「ベトナム金融市場の動揺はマクロ経済の悪化を示すもの」と指摘。食糧、エネルギーを筆頭にインフレが続いているにもかかわらず、ベトナム中央銀行の対策は明らかに不十分。5月19日、同銀行は金利を8.75%から12%へと引き上げたが、インフレ率と比べはるかに低く、有効な対策とはなり得ないという。

欧米メディアの間では、ベトナム危機が最悪の場合、中国、さらにはアジア全体を金融危機へと追い込む引き金になるとの観測もあるが、哈氏はこうした見方を否定。現在、アジア各国は全体として資金量、流動性ともに高く、前回のアジア通貨危機の反省から、主要企業も大幅に債務を減らし、銀行も体力を強化している。そのため、1国で金融危機が発生しても将棋倒しに波及していく可能性は低いという。

特に中国は輸出競争力が強くて貿易黒字も多く、経済基盤も安定しているため、ベトナム発の金融危機で混乱に陥ることはないと見ている。哈氏は「もしアジア金融危機が再燃したら、中国はむしろ“救世主”としての役割を果たす」との楽観的な見方を披露した。ただ、市場関係者や有識者の間では、「中国もインフレ率が高まり、株価も昨年から大幅に下落しており、決して磐石な態勢ではない」と指摘する向きもある。(翻訳・編集/KT)

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