【動画】英国で人種差別を受けた韓国人選手、その対応に称賛の声

2017年11月21日、トッテナムに所属する韓国代表FWソン・フンミンが、ウェスト・ハムのサポーターから人種差別行為を受ける映像が公開され、韓国ネットユーザーの間で注目を集めている。

「ウェスト・ハムのサポーターから人種差別行為を受けたソン・フンミンの反応」と題された映像は、人種差別行為をした男性が自ら撮影したものと見られる。映像は車に乗ったソン・フンミンが窓を開けてファンにサインをしている場面から始まる。サインをもらったファンがその場を立ち去ると、映像を撮影していた男性はソン・フンミンに声を掛け、「午後に『猿の惑星』のコピーをくれるか」と尋ねた。その意味を理解できない様子のソン・フンミンが「何を言っているんだ」と言うと、男性は「DVDだよ、DVD」と叫んだ。これは「海賊版のDVDを売っているアジア人」という意味で、白人の人種差別主義者らがアジア人をさげすむ際によく使われる表現だ。

ようやく人種差別発言であることに気付いたソン・フンミンは笑みを浮かべ、親指を立てるポーズをした。男性をクールにかわしたソン・フンミンはすぐに窓を閉め、車を出発させた。映像の最後には男性が去っていくソン・フンミンに向かって「俺はウェスト・ハムのファンだ」と叫んで暴言を吐く様子も映っている。

この映像は英国現地でも物議を醸している。英紙デイリー・メールはトッテナムが「人種差別的行為は全面的に受け入れられないものだ」との立場を示し、「映像の人物が特定されることを願っており、然るべき対応を取るつもりだ」と明らかにしたと報じた。

ウェスト・ハムも声明を通じて「われわれはいかなる人種差別も容認しない」と批判し、「同様の人種差別行為を目撃した際はクラブに連絡してほしい」と呼び掛けた。

この映像を見た韓国のネットユーザーからは「ソン・フンミンはわざと理解できないふりをしたのだろう。素晴らしい対応だ」「余裕のある対応を見て、逆に心がすっきりした」「ワールドスターにふさわしい振る舞い」などとソン・フンミンを称賛する声が多数寄せられている。

その他「英国が紳士の国なんて誰が言った？」「これが英国流の紳士的な振る舞いなの？」と批判する声や、「韓国も人種差別が深刻だ。これを見て改めよう」と反省する声も見られた。（翻訳・編集/堂本）