Record China 2017年11月25日(土) 17時0分
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中国で今年、飛行機のエンジンに硬貨を投げ込む事件が相次いだ。なぜ中国人はそのような危険な行為に及ぶのか。写真は中国の飛行機。
中国で今年、飛行機のエンジンに硬貨を投げ込む事件が相次いだ。なぜ中国人はそのような危険な行為に及ぶのか。
今年10月18日、安徽省から雲南省に向かう祥鵬航空8L9960便で、76歳の女性の乗客がエンジンに向かって何かを投げた。目撃した整備士が気付き、機体やその周辺を調べたところ、エンジン近くの地面に硬貨が落ちていた。航空会社はフライトに影響する可能性があると判断し、同便の運航を取りやめた。
また、6月27日には、上海浦東国際空港から広州白雲国際空港に向かう予定だった中国南方航空CZ380便で、乗客の80歳の女性がエンジンに硬貨を投げ込んだ。目撃した他の乗客が航空会社の職員に知らせ、出発は見合わせに。安全点検の結果、硬貨9枚が発見されたという。
ジェットエンジンは前部の吸気口の内側に圧縮機があり、ブレードと呼ばれる刃を高速回転させて空気を燃焼室に送り込んでいる。鳥を吸い込む「バードストライク」のように、ジェットエンジンに異物が入った場合、エンジンが正常に動作しなくなることもある。
この2つの騒動はいずれも中国メディアで大きく報じられた。そして、当事者が口にした理由はどちらも「安全を祈願するため」だった。
中国ではコインを投げて幸運を祈願することが広く行われている。たとえば、博物館や史跡、動物園の亀の甲羅など。日本の観光地でも外国人観光客らによる硬貨の投げ込みが池の水質に影響するなど問題となり、「コインを投げ込まないでください」との注意書きが書かれた場所もある。
専門家によると、「神様にお金を贈って願いをかなえてもらう」のは中国で長く続く風習とのこと。だが、さすがに飛行機のエンジンに硬貨を投げ込むのが危険だということは、普通の人であればわかりそうなものだ。実際、いずれの騒動でも、中国のネットユーザーからは厳しい批判が寄せられた。また、どちらも当事者が高齢のため常識に欠けていたと指摘する声もみられた。いずれにせよ、大事故に至っていないことが不幸中の幸いといえるだろう。(編集/北田)
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