中国の海外旅行市場では、来年2月の春節（旧正月）連休に向けた顧客争奪戦がすでに始まっている。こうした中、中国網は世界旅遊城市聯合会（WTCF。本部：中国北京）が英ロンドンで先日開いた「中国観光市場発展フォーラム」と現地で発表したレポートに着目。「中国人観光客を引き寄せるためのヒント」を紹介する記事を29日付で掲載した。

中国旅遊研究院のレポートによると、2016年に海外を訪れた中国人旅行者の数は延べ1億2200万人に達し、前年比で4．3％の伸びを示した。旅行に使われた金額は約1098億ドル（約12兆3000億円）に上る。

記事は「近くの国・地域を旅した後により遠くの目的地へ」という行動パターンが世界各国の旅行者に見られることを説明し、中国人観光客に関しては「日本、韓国などでは中国人観光客の明らかな増加が見られ、ますます多くの中国人が訪れるようになった欧州では今後のさらなる拡大が見込める」と指摘。また、「中国人観光客の最も目立つ行動の一つはショッピングだ」とし、「中国人観光客が好んで訪れるのは『有名ブランドのある場所』であり、これには高級ブランドだけでなく誰もが知っている観光スポットも含まれる」「以前の中国人観光客は人気観光スポットの外観をカメラに収めることに関心を持っていたが、現在はそれが内包するものへの興味が増している。文化的景観にも関心があり、自由旅行の人気も高まっている」などとも説明している。

記事によると、ある専門家は「中国人観光客を引き寄せるカギとなるのは高級品のショッピング」と話しており、これ以外にも「その土地の文化的特色を掘り起こして特別な旅行体験を提供する」「中国人観光客に対する分析を行い、そのニーズにマッチするような商品、サービスを用意する」「インターネットを使ったサービスを強化する」という意見が出されたという。（提供/Bridge・編集/Asada）