Record China 2017年12月27日(水) 8時30分
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チケットの平均販売率が61%に達した韓国・平昌五輪だが、ここへきて韓国の複数のメディアが相次いで「次なる心配」について報じた。懸念されているのは、韓国で以前より社会問題化している「ノーショー(予約不履行)」だ。写真は平昌五輪会場。
観覧チケットの売れ行き不振が報じられていた韓国・平昌(ピョンチャン)五輪だが、開幕まで50日を切った12月22日、チケットの平均販売率が61%に達したことが明らかになった。販売目標107万枚のうち65万5000枚が売れたといい、人気種目のアルペンスキーやショートトラックなど、販売率が70〜80%に達した種目もある。2018年の年明けから団体販売が本格化すれば、完売の種目も続出すると予想されている。
販売率100%も見えてきたという朗報だが、ここへきて韓国の複数のメディアが相次いで「次なる心配」について報じた。懸念されているのは、韓国で以前より社会問題化している「ノーショー(予約不履行)」が、五輪でも横行するのではないかという点だ。
ソウル新聞は、特に企業や地方自治体などが無料で提供した一部種目のチケットについて、「履行率」が50%にも満たない可能性があると伝えている。実際、五輪1年前の今年2月に行われたテストイベントのうち、スノーボードビッグエアでは前売りチケットを手にした観客の実に88%が、人気種目のショートトラックでも27%がノーショーだったという。
五輪組織委も、がらんとした客席は何としても避けたいと対策を講じている。組織委によると、寒さによるノーショーが多く予想される屋外雪上種目では当初より定員以上のチケットを発行したり、幕を使って物理的に観客席の規模を縮小したりしている。またボランティア2万人を動員し、「ノーショーによる空席を直ちに埋めるシステム」を構築済み。さらに生徒・児童による競技観戦を「参加型の授業履修」として認める案を、教育部と協議中とのこと。
ノーショーを懸念すべきは観客席だけではない。朝鮮日報は、五輪ボランティアや聖火ランナーのノーショー問題に触れている。今年5月に韓国で開催されたU−20サッカーワールドカップ大会では登録ボランティアのノーショーが13%に上り、同様の問題が五輪でも起こることが懸念される。また11月から韓国で始まった聖火リレーには毎日100人ほどのランナーが参加するが、ランナーの「ドタキャン」対策のため予備ランナーを常に1割ほど用意しておくのが現場関係者の「定石」だそうだ。
しかしソウル新聞が指摘する通り、「成熟した市民意識と約束文化の定着」がなければ、どんな対策を持ってもノーショー根絶には限界がある。聯合ニュースもこの問題を取り上げ、「ノーショーはサービス提供者に経済的損失を与えるだけでなく、利用者の機会まで剥奪する行為だ」とし、「世界的なイベントである五輪を前に、市民らの責任意識の改善が急がれる」とまとめた。(編集/吉金)
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