<点描・北京五輪>朝倉浩之の眼・お騒がせ郭晶晶、“金”のあとはお行儀よく?

Record China    2008年8月14日(木) 17時17分

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中国の「お家芸」飛び込みでは、郭晶晶・呉敏霞組が3m飛び板飛び込みで優勝。飛び込み王国の最初のメダルを飾った。

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中国の「お家芸」飛び込みでは、郭晶晶・呉敏霞組が3m飛び板飛び込みで優勝。飛び込み王国の最初のメダルを飾った。

郭晶晶といえば、今年5月のW杯でライバル選手を「おデブちゃん」と言ったり、記者会見で不遜な態度を見せるなど物議をかもした。その後、「熱愛メール騒動」「妊娠騒動」などスキャンダルがメディアの格好の材料となり、オリンピック前は競技以外の面で何かと「お騒がせ」のアスリートとなった。

表彰式のとき、呉敏霞は喜びが隠せないといった感じの満面の笑みで、会場の大声援にこたえた。一方の彼女より4歳年上のベテラン、郭晶晶は満員の観客に手を振って答えた後、落ち着いて服を整理し、手にした金メダルの紐を整えていた。「金メダルは取って当然」ということではないだろう。大きなプレッシャーの中で戦ったあとの彼女にとって、金メダルは「うれしい」というより「ほっとした」のだと思う。そして、チームを引っ張るベテランとして、あえて冷静に振舞ったのだろう。

試合後の記者会見は、3ヶ月前に物議をかもしたアノ記者会見場で行われた。そのとき、彼女はベテラン記者の質問に馬鹿にしたような態度をとり、始終、手首のミサンガをいじっていた。

昨日もまた、そのミサンガをつけていたが、彼女の受け答えに、かつてのような不遜な態度はなかった。そして、全ての答えのあとに「謝謝」をつけるのを忘れなかった。「とりあえず」いろいろなものから解き放たれ、ほっとした瞬間だからこそ、素直に記者たちの質問にも答えられたのだろう。

だが、あくまで「とりあえず」である。彼女にはまだ15日から予選が始まる個人種目が残っている。大きな重圧を受けながら、数々の困難に負けずに、本番を迎えた「飛び込み女王」。その有終の美を飾り、本物の「女王」となれるかは、次にとるべき金メダルの行方にかかっている。

<注:この文章は筆者の承諾を得て個人ブログから転載したものです>

■筆者プロフィール:朝倉浩之

奈良県出身。同志社大学卒業後、民放テレビ局に入社。スポーツをメインにキャスター、ディレクターとしてスポーツ・ニュース・ドキュメンタリー等の制作・取材に関わる。現在は中国にわたり、中国スポーツの取材、執筆を行いつつ、北京の「今」をレポートする中国国際放送などの各種ラジオ番組などにも出演している。

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