2008年9月22日、「中国証券報」の報道によると、オンライン決済システム提供企業・支付宝中国網絡技術有限公司（支付宝）のユーザー数がこのほど1億人を超えた。同社では今後3−5年以内にユーザー数を倍増させ、業界トップのペイパル（Paypal）を射程圏内に捉える計画だという。

【その他の写真】

ネット市場の調査・分析会社によると、支付宝の08年第2四半期の中国市場での取扱高は539億8900万元（約8098億円）で、市場規模の58．3％を占め、ユーザー数は07年末で約6000万人、08年8月末で1億人の大台を突破したという。

一方、業界最大手のペイパルは事業展開から10年を経過した現在、世界190か国に約1億8000万人のユーザーを有している。支付宝では、事業展開5年足らずで1億人を突破した実績を基に、今後3−5年以内にユーザー数を2億人とする目標「コロンブス計画」を打ち出し、ペイパルを射程圏内に捕らえるとしている。

このため同社では、ネットゲーム業界やチケット販売など多種多様な業界との提携を進め利便性の向上を図るだけでなく、一部の政府機関とも提携し、社会保険料や税金など公共料金の決済も可能とするなど、幅広いユーザー獲得に注力している。また、同社は07年には海外進出も果たし、現在約300社の外国企業と提携、12種類の通貨が利用可能だという。

業界内では、こうした戦略によりユーザー獲得にさらに弾みがつき、同社がペイパルを脅かす存在となるのも時間の問題だと見られている。（翻訳・編集/HA）