大学院定員拡大が混乱呼ぶ=急増するドロップアウト博士―中国

Record China    2008年9月24日(水) 16時43分

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22日、ニュースサイト・紅網は大学院課程の急速な拡大により就職先が見つからない博士が大量に出現していると報じた。写真は河南省の地方公務員試験。博士号取得者は優先的に採用される。

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2008年9月22日、ニュースサイト・紅網は大学院課程の急速な拡大により就職先が見つからない博士が大量に出現していると報じた。日本でも博士号取得者の余剰問題が深刻化し「高学歴ニート」が出現している。一方、中国の博士が歩む道は日本とは少々異なっているようだ。

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先日、河南省三門峡市が博士号取得者を対象に科学技術担当副県長を公募したところなんと65人もの応募者が集まった。一昔前ならば博士がつく職ではないと見られていた副県長になぜこれほどの応募者が集まったのか。1つには中国の「博士教育大躍進」が挙げられる。ここ数年、博士課程の定員は大幅に拡充され、2007年の博士号取得者数は5万人超、アメリカを上回る膨大な数を記録した。もちろん大学、研究機関には彼らを受け入れられるだけのポストはなく、博士の多くが就職難に直面している。

大学院の拡大と博士号取得者の就職難という問題は日本も同様。多くの「高学歴ニート」が生まれてしまった。一方中国はというと、大学定員の急速な拡大によりその希少性は低下しつつあるとはいえ、「博士」の看板はまだまだ貴重なもの。このブランド力を利用し研究者の道ではなく、地方官僚などの職を求める者が増えているという。三門峡市に応募した博士たちがまさにその典型。一般的なイメージでは地方政府官僚は大学の研究者ほどの「いい仕事」ではないと思われているが、賄賂など副収入を得られるチャンスが多く十分に「おいしい職業」だ。

高レベルの人材が地方政府に就職すると考えればそう悪い話ではないようにも思えるが、定員拡大により博士の質自体が低下しているとも伝えられ、彼らがどれだけの力量を発揮できるのか疑問が残る。日本の高学歴ニート、中国のドロップアウト博士はともに両国の教育改革が生んだ徒花と言えるだろう。(翻訳・編集/KT)

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