汚職発覚で上海市トップの陳書記を解任―上海

2006年9月25日に新華社が伝えた情報によると、中国共産党は今月25日までに、上海市トップの陳良宇（ちんりょうう）党委書記を解任し、代理として韓正（はんじょん）市長（上海市委員会副書記）を任命した。これは中国共産党の中央政治局が開いた9月24日の会議で、中央紀律検査委員会が提出した「陳良宇同志の問題の初期情況報告」を審議した結果である。「陳良宇同志の問題の初期情況報告」の原文は以下の通り。「これまでの調査によると、陳良宇同志は上海市の社会保障資金を違法に利用し、特定企業のための利益を図り、重大な違法行為を犯した周囲の人をかばい、職務上の便宜を利用し、親族に不正な利益をもたらした。――これらの重大な規律違反を犯し、政治にきわめて悪い影響をもたらしたことが分かった。」と解任理由を挙げた。中国共産党中央の決定による「中国共産党規程」と「中国共産党紀律検査機関案件検査工作条例」の関連規定に依拠し、中央紀律検査委員会は陳良宇同志の問題に対して提訴検査した結果、陳同志の上海市委員会書記、常務委員、委員の職務を免除し、その担当した中央政治局委員、中央委員の職務を停止することにした。書記代理は暫定的に上海市人民政府の韓正市長が務めるという。2002年の胡錦濤国家主席の中央委員会総書記就任以来、党指導部では最も職位の高い人物の免職となる。

【その他の写真】

陳良宇氏は1946年に浙江（せっこう）省寧波（ねいは）市で生まれた。1968年、中国人民解放軍後勤工程学院を卒業。上海市黄浦区区長、中国共産党上海市委員会副秘書長を歴任し、1996年10月、中国共産党上海市委員会副書記に就任。2002年2月、上海市市長に就任。2002年10月、中国共産党上海市委員会書記に就任。2002年11月、中国共産党中央政治局委員に就任した。

韓正氏は1954年、浙江省慈渓（チシ）市に生まれる。経済学修士、高級経済師。1994年に華東師範大学を卒業。共産主義青年団上海市委員会書記、中国共産党上海市盧湾区区長、上海市政府副秘書長、市計画委員会主任を歴任した。1998年2月、上海市副市長となり、さらに2002年5月、第8回中国共産党上海市委員会副書記となった。上海市常務副市長を務める。 2003年2月、上海市第12回人民代表大会第1回会議で上海市市長に選任された。