Record China 2009年5月17日(日) 23時50分
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個人ブログ「全人類の中国分析」は、話題の映画「南京!南京!」について、「日本人俳優が本当に中国人と一緒に歴史問題に向き合ったなら、この映画の撮影は失敗したかもしれない」としている。写真は06年9月、南京大虐殺記念館を訪問する大江健三郎氏。
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レコードチャイナのライターによる個人ブログ「全人類の中国分析」は、中国で話題となっている映画「南京!南京!」について、「もしこの日本人俳優が本当に中国人と一緒に歴史問題に向き合ったなら、この映画の撮影は失敗したかもしれない」と感想を述べている。
【その他の写真】
同ブログの内容は以下の通り。
■歴史問題と向き合う
<映画「南京!南京!」>撮影中に日本人役者を無視、中国人俳優が心境語る
このニュースの核心は、映画に出演した中国人俳優リウ・イエが共演の日本人俳優について語ったという次の言葉です。
「中国人と一緒に歴史問題に向き合った勇気はすごい」
この言葉をどう読むかですべては決まってしまう、と言っても過言ではありません。「中国人と一緒に歴史問題に向き合う」ためには、まず歴史を学び、知る必要があります。もしこの日本人俳優が本当に中国人と一緒に歴史問題に向き合ったなら、この映画の撮影は失敗したかもしれない、と思うのはわたしだけでしょうか。
日本人は「和」を美徳としますから、一般的に言って、正面から論じ合うのが苦手です。また日本人の一般的な性質として、比較的、職業におけるプロ意識も高い。ですから、この日本人俳優も、映画の撮影を成功させることを第一に置き、与えられた責任を果たすために、努力したのではないかと想像します。そういった背景をわきまえて、この中国人俳優の言葉を読むことです。
もう一度言いますが、日本人がほんとうに歴史問題に向き合ったなら、中国人の口から賞賛の言葉が出てくる可能性は極めて低い、ということを覚えておく必要があります。
中国人とつきあう個々の日本人にとって、歴史と向き合うことを避けさせようとする誘惑は大きいのです。歴史と向き合えば、争いは避けられないからです。
わたしの妻は、かつて従軍慰安婦だった老婦人を訪ねる旅を、数回にわたって続けています。癒されない心の傷をもったまま、この世を離れなければならない時が近づいている、いや、すでに多くの女性たちが世を去ってしまった。その傷を癒すことができれば、という思いから始められたことでした。「このような境遇に追いやってしまったことを、日本人として心から申し訳なく思っている。ゆるしてほしい」という妻の涙とともに出てくる言葉を聞くだけで、多くの女性も流れる涙とともに癒しを経験し、過去の痛みに向き合う勇気が与えられるのを、妻は何度も見ました。
日本人として、慰めのないまま死のうとしている女性たちを訪ねずにはおられないという思いから、妻はこのことを始めました。しかし、若い世代や学生たちの感情、そして歴史観と向き合うときには、妻ははっきりものを言います。歴史について、事実か、そうでないか、はっきり述べることは、日本人としての責任でもあり、中国人と真に向き合うことでもあると思っています。
そのために歴史を学ぶことです。櫻井よしこさんが「日本人は歴史を知らなすぎる」と書いていますが、この点については、同感です。歴史を学ぶことによって、中国人の「歴史問題攻勢」に過度に反応して中国人嫌いになることや、逆に自分と日本を貶めて中国人の歓心を買うということも避けることができるでしょう。
人間の感情、思い、意図、そして人為的につくられたものであれ偶然生まれたものであれ、それらを支配する「空気」は複雑です。
恐れる必要はありません。
それらと自然体で向き合い、そのなかで、自分に何ができるか、何をしなければならないかを考えてみると、何かヒントが与えられるかもしれません。
(筆者:あるレコチャ・ライター)
■「全人類の中国分析」は「中国ニュースを材料に、情報を正しく解読することの大切さを伝える、あるレコードチャイナ・ライターのブログ。GoogleBloggerに掲載。
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