無資格者の観光客案内には問題多い=中国からの個人ビザ入国解禁控え、ガイド問題で活発な議論―観光庁

Record China    2009年6月27日(土) 18時19分

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26日、2020年の訪日外国人旅行者2000万人時代に対応した通訳案内士(外国語の観光ガイド)の受け入れ体制整備を検討する観光庁の検討会は、東京千代田区の観光庁で第1回会合を開いた。 写真は外国人旅行者が多数訪れる東京・浅草。

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2009年6月26日、7月1日の中国からの個人観光ビザ入国解禁を来週に控えた26日、新時代に対応した通訳案内士(外国語の観光ガイド)の受け入れ体制整備を検討する観光庁の検討会が、第1回会合を東京千代田区の観光庁国際会議室で開いた。

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観光庁の西阪昇審議官は「2020年に2000万人という訪日外国人の目標実現のために様々な取り組みが必要であり、制度の抜本見直しを視野に入れた検討会の開催に至った」とあいさつした。その後、事務局の現状説明、論点の提示に続いて各委員から活発な意見表明が行われた。

旅行業界側からは「増えているアジアからのツアーは9割以上が日本の旅行会社を経由せず、無資格ガイドによる催行となっている。無資格ガイドが日本をよく紹介せず、チップや土産物を強要するなどしており、その規制が一番大事な問題だ」(日本観光業協会)との指摘がなされた。これに対し、通訳案内士側は「少ないと言われる中国語、韓国語のガイドは仕事がない現実に悩んでいる」(全日本通訳案内士連盟)、「外国からの日本訪問ツアーで9割が日本の旅行会社を経由せず有資格ガイドを使用しないというのは非常に大きな問題だ。試験制度をいじる以前に、無資格ガイド取り締まりの体制を確立してくれないと、私たち有資格ガイドの仕事は成り立たない」(日本観光通訳協会)などの意見が表明された。

また、「地方ではニーズに対する供給がまだまだ不足している」「試験に受かっていない人が現実に活躍し色々な問題が出ている」(地方の国際関係部門)、「アジアと欧米では事情が違うので分けて議論しては」(大手旅行業者)などの意見も出された。

「通訳案内士のあり方に関する検討会」は約1年をかけて通訳案内士の新制度を構築するための具体的な方策をまとめる。(NK)

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検討会のメンバー(15人)は以下の通り。

青木 麗子(福岡県留学生サポートセンター長)、石井 一夫(NPO法人アセアンインバウンンド観光振興会)、出野 勉(静岡県産業部観光局長)、定保 英弥(株式会社帝国ホテル常務執行役員、東京総支配人兼ホテル事業統括部担当)、三瓶 愼一(慶応義塾大学法学部 教授)、島崎 有平(社団法人全国旅行業協会 専務理事)、角田 陽子(マンダリンオリエンタル東京株式会社 コンシェルジュ)、辻村 聖子(社団法人日本観光通訳協会 副会長)、永井 久美子(京都市産業観光局観光政策監)、深川 三郎(社団法人日本旅行業協会外国人旅行委員会副委員長)、藤井 一男(東京SGGクラブ 会長)、松澤 勇夫(株式会社日本旅行 国際旅行事業部担当部長)、道明 昇(独立行政法人国際観光振興機構 理事)、廻 洋子(淑徳大学国際コミュニケーション学部 教授)、山田 澄子(協同組合全日本通訳案内士連盟 理事長)(了)

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