<上海万博・日本のキーマン5>「パンダは逃げたままじゃない!!」―ANA中国室の佐々木秀氏

Record China    2009年9月29日(火) 6時8分

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09年9月、来年5月からの上海万博に向けて日本館「かいこじま」の出展準備や日本人観光客の誘致など地道な作業が進んでいる。本シリーズは上海万博関連に携わる日本側のキーマンを紹介する。第5回はANA中国室の佐々木秀氏。東京・港区の本社で。

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2009年9月、「日本人の中国に対する見方は、四川大地震で施設が壊れてパンダが逃げたまま、毒入り餃子問題が発生したままの状況が続いている。上海万博を機に、その後被災地復興や食品安全問題について中国がどう対応しているかなど、ありのままの姿をぜひ見てほしい」

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ANA中国室で主席部員として、日中の往来に関する状況全般を把握し社内外に情報提供する佐々木秀(ささき・まさる)さんは、1996年から4年間中国・大連に駐在、乗客減少のなか日本人観光客増に向け観光基盤整備にも奔走した。2005年の愛知博では博覧会協会の一員として、中国側に万博の概念を伝えるとともに、13省市を回り中国からの観客誘致にも多いに汗を流した。この結果、年間訪日が43万人だった中国から実に12万人を愛知博に呼び込んだという。

こうした経験から得た教訓は、いかに「交流=外国を知ること」が大事かということに尽きる。反日感情を持つ中国の人でも実際に日本に来てみると、「今までの認識は一体何だったんだろう」といっぺんに日本びいきになる場面も見続けてきた。多くの日本人が訪中すれば「上海万博も絶対このような場になる」と自信をみせる。

上海万博の日本館の協賛企業の一員としては、中国の人々に対して、「日本館を見て日本の良さを理解してください」と呼びかける立場だ。国内では、上海万博のツアー客集めは旅行代理店に任せることになるため、ANAの一員として両国の都市交流や文化芸能の交流に対する輸送面などにおける協力を通じ、あまり表面に出ない形で上海万博を盛り上げて行くことになる。

普段から、社内を含め中国に関する講演依頼などがあれば積極的に応じ中国情報の発信に努めているが、「中国よいとこ一度はおいで」とは言わないという。パンダが逃げたことは伝えたがその後施設に戻ったことを伝えない日本の報道状況も含め、「断片的な情報を鵜呑みにせず、正しく色メガネなしで外国の中国を見てください」とあくまで自然体だ。

隣同士で引っ越しも出来ず、世界でも類のない2000年に及ぶ交流の歴史を持つ日中両国。いわば「どちらがいなくても成り立たない関係」である。このことが上海万博を機により広く認識されるようになることを望んでいる。そして、中国には「本当の国際都市・上海」を発信してもらい、外国を知る楽しさを通してさらに両国関係が密になることに大きな期待を寄せている。1956年生まれ53歳。(インタビュー/三木)

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