ANAが強制「拉致」?日本「島流し」の上海市民がリアル「トム・ハンクス」、帰国求め1か月―成田空港

Record China    2009年12月5日(土) 12時50分

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09年12月、上海市在住の中国人・馮正虎氏が中国当局から帰国を拒否され、約1か月に渡り成田空港に滞在し続けている。ハリウッド映画「ターミナル」でトム・ハンクスが演じた役柄と重なる。写真は馮正虎氏、後ろに「中国へ戻りたい」とある。(読者提供)

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2009年12月、上海市在住の中国人・馮正虎氏(55)が11月初め、中国当局から帰国を拒否され、日本に入国することもなく約1か月に渡り成田空港にとどまり続けている。馮氏の行動がかつてハリウッド映画「ターミナル」でトム・ハンクスが演じた役柄と似ているうえ、今回の中国からの「強制送還」に日本の航空会社・全日本空輸(ANA)が関わったことから、中国国民も日本側の対応に注目している。メールマガジン「JMM(ジャパン・メール・メディア)」(編集長は作家・村上龍氏)が伝えた。

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JMMによると、ANAは中国当局の指示を受け「乗ることを嫌がって暴れた人物を機上に押さえつけ」て輸送し、「意に反して『拉致』して成田に連れて来た」と馮氏は主張している。

馮氏は成田空港に送還された後の11月7日にはビザ放棄を宣言して日本への入国を拒否、空港の入国審査カウンター前にある制限エリアでトイレの水を飲むなどして寝泊まりを続けている。中国で民主化・人権活動に取り組み、服役経験もある馮氏は今年6月の天安門事件20周年記念日を前に上海市当局から日本への出国を勧められて訪日したが、その後帰国を試みると、8回にわたり入国を拒否された。中国パスポートを持つ馮氏の入国拒否について、上海当局は具体的理由を明かしておらず、日本に「島流し」にあった形だ。


各種報道や馮氏自身のインターネット・サイトの情報によると、馮氏は「日本は人権や民主を重視する国だ。中国政府に責任を果たすよう働き掛けてほしい」と日本側の支援を求めている。また、馮氏はその抗議活動を知った中国国民から、400件近い激励メールも受け取っており、「中国民衆がわたしの背中を押してくれていると感じている」と語っている。

航空会社によって「拉致」されたという馮氏の主張について、ANAは「中国への入国ができなかったので、中国当局の指示を受け輸送した。搭乗口のドアが閉まり中国側の当局者がいなくなると、機体が動き始める前から『拉致された』と言って立ち上がろうとしたため同行したスタッフが『座ってください』と言ってボディタッチをした。当局とのやり取りについてはコメントできない」(広報室)としている。

航空機の場合、搭乗口が閉まった後は機長が安全運航に最終責任を持つことになる。このため、輸送上の安全を含めた機長による総合判断で馮氏を連れ帰ったことになるが、乗客が騒ぐなど機内に安全上の危害をもたらす要因がある場合は、離陸前であればむしろ輸送を拒否し下ろすのが一般的。今回の場合、逆に他の乗客の安全を危険にさらしたとも受け取られかねないが、日本から上海に輸送していたため、当局からの強いプレッシャーを受け、その選択肢が選べなかったとみられる。(編集:NK)

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