Record China 2010年3月12日(金) 2時17分
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日本のテレビ番組の現地制作から、現地で日本の生の情報を提供する番組の企画・ディレクターまでを務め、精力的に活動してきた松田奈月さん。渡中して10年の昨年、TBSと講談社主催の「ドラマ原作大賞」を受賞し、そのドラマが今月、テレビ放映されることになった。
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■映像ディレクター+ギャラリーショップ運営: 松田 奈月 さん
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09年、TBSと講談社が開催した「第2回ドラマ原作大賞」の受賞作である「記憶の海」が、今月22日から4夜連続でテレビドラマとして放映されることが決定した。全916本の応募作品の頂点に立った同作は今月、書籍としても出版された。その原作者は中国在住歴10年の女性で、中国ではおそらく知らない人がいないほど有名な日本語のテレビ番組の企画者であり、ディレクターでもある松田奈月さんだ。
■「やってみたい」気持ちが形になる街で学び、働く。北京から上海、実践を糧に自分を楽しく磨いていく
中国に来て10年目を迎えた昨年、松田さんはTBSと講談社が開催した「第2回ドラマ原作大賞」を受賞した。その作品は今月、書籍として出版されテレビドラマ放映も決定した。中国でも人気を集める日本語のテレビ番組制作の仕事を離れ、この春、松田さんは新たなスタートを切った。上海初のギャラリーショップのオーナーでもあるという多才な人だ。
「今住んでいるアパートは老房子(租界時代に建てられた上海の洋館住宅)で、1LDKなのですが、もうひとつ奥のドアをあけると、キッチンとトイレ、バスタブが全部一緒にコンパクトに収まっている不思議な部屋があります」。住んでいる家について尋ねると、松田奈月さんは笑いながら教えてくれた。それは生活にはかなり不便では?と聞くと、「友達が来たりすると、料理中はトイレに入れなかったりして不便ですけれど、お風呂入りながらお湯がわかせたりと便利な面も」と答える。悪天候で交通が乱れ、松田さんは約束の時間より遅れてきたのだが、取材場所である彼女のショップのスタッフが「しょうがない人ですよねえ」と笑わせる。状況を受け入れて楽しむ姿勢は、彼女の周りでポジティブな連鎖を生んでいるようだ。
■チャン・イーモウが学んだ名門で撮影技術を学ぶ
「中国への興味は、大学で専攻していた日本文学とゆかりが深いという理由で、中国語文学と第2外国語を取ったことから。中国語は4年やったのですが、たいして伸びませんでしたね」。それに加えて、大学の途中から映像や写真に興味を持ち始め、中国の映画を観るうちに、その監督らが同じ学校の出身だということに気がついた。
「中国映画の魅力は、ひとりの人間をちゃんと描いていて、監督色が強いところ。スピード感も自分と合うなと思いましたし、どんな人が作っているのかなと興味がわいたんです。その学校を調べているうちに、留学生も受け入れているらしい、そこに行けばその映画作りを目指している人たちに会えるかもしれない。これはおもしろそうだと、ミーハーな気持ちで(笑)」
大学卒業後3年間勤めていた外資系のマーケティング会社を辞め、チャン・イーモウやチェン・カイコー、ヴィッキー・チャオといった中国を代表する映画人を輩出した名門・北京電影学院に留学。半年の中国語語学クラスで勉強したあと、1年制の撮影専門クラス(進修班)に入学する。
「監督学科なども当初は考えていたのですが、監督学科は基本的には留学生だけのクラスになることがわかったので、中国の人たちと一緒に学びたいと考え、撮影にも興味があったため撮影のクラスに入りました」授業は1日多くて5時間ぐらい、カメラを5〜6人に1台貸し出されて課題作りの日々。クラスメートの半分は、学歴を求めて入学した地方テレビ局のカメラマンなどだったという。
「小さな学校で、すごく環境がいいんです。学内には映画館があって、学生は(当時は)無料。月曜日は中国映画2本立て、火曜日は海外2本立て、水曜日は卒業生が新作を持ってきたりして、本当にできたてのものを公開より先に見せてくれて、監督との交流もあり。ラボでは、国内上映禁止になっている映画も見られたんですよ」。(取材・文/浅香来)
■記事提供・カモメ中国転職+アジア
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