Record China 2010年4月7日(水) 8時58分
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5日、北京出身の作家、毛丹青氏が、「桜はもう散っているのでは?」と題した記事を中国のブログサイトに発表した。写真は東京都内の桜。
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2010年4月5日、北京出身の作家・毛丹青(マオ・タンチン)氏が、「桜はもう散っているのでは?」と題した記事を中国のブログサイト・新浪博客に発表した。以下はその概略。
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桜満開の春は日本人にとって新年度の始まり。入社や入学といった行事だけでなく、結婚や離婚といった個人的なイベントにも春を選ぶ人は多い。小学生向けの絵本や教科書には入学式の場面とともに必ず美しい桜が描かれているし、日本人は同級生を「同期の桜」と呼ぶ。
だが、えんどう豆のように細長い島国・日本では「桜が咲く時期」も実は北と南で大きく異なる。そのため、5月ごろにようやく満開を迎える青森や新潟辺りの人にとって、新学期や入学式が必ずしも「桜」と結びつくわけではない。3月下旬には桜が咲いてしまう福岡辺りの人にとっても、同じことが言えるだろう。
しかし、日本の子供はみな素直だ。教科書に事実と異なる記述があっても異議を唱える小学生はいない。そればかりか、「入学式と桜」の絵を見て「頑張ろう」という気持ちが起こるらしい。実際に桜が咲いているかどうかは問題ではないようだ。では、日本全土で新学期に桜が咲く訳でもないのに、小学生の教科書にはなぜ「4月は桜の季節」だと堂々と掲載されているのだろうか?
これに対する文芸評論家の斎藤美奈子氏の答えは面白かった。それは、「東京の桜が4月に咲くから」なのだとか。教科書や絵本の編集者は「東京=日本」という自己中心的な認識に基づいて書いているというもの。このような地方蔑視の傾向は、明治維新後の教育政策から始まったという。これが東京中心主義的な意識を増長させ、地方文化を衰退させた、と斎藤氏は述べている。
昨日は天気が良かったので妻と一緒に花見に行ってきた。桜の木の下に人が立っていると、それらがより一層美しく輝いて見えることに気が付いた。(翻訳・編集/NN)
●毛丹青(マオ・タンチン)
北京出身の作家、大学教授。85年、北京大学卒業。中国社会科学院哲学研究所助手研究員を経て87年に初来日。三重大学に学び、大手商社に勤務するが「にっぽん虫の眼紀行―中国人青年が見た『日本の心』」で作家に転身。日本語・中国語の2か国語で執筆し、「狂走日本」「珠玉の中国語エッセイで学ぶ 長文読解の“秘訣”」など著書・訳書多数。99年、「神戸第28回ブルーメール文学賞」を受賞。09年4月から神戸国際大学で教授として教鞭をとる。日本語ブログ「神戸国際大学教授−毛丹青オフィシャルブログ」も展開中。
※本記事は筆者の承諾を得て掲載したものです。
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