ヒントは日本!ワーキングプア向けのカプセルアパートに初の入居者―北京市

Record China    2010年4月9日(金) 18時7分

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7日、中国・北京市に先月開業した「カプセルアパート」に、1人目の入居者が現れた。山西省出身の25歳の女性である。

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2010年3月末。大人1人が横たわるのがやっとのウナギの寝床が8室。エンジニアを定年退職した78歳の黄日新(ホアン・リーシン)さんが、中国・北京市に開いた「カプセルアパート」には、なかなか入居者が集まらなかった。日本のカプセルホテルにアイディアを得て、「この就職難のご時世、低収入の若者の一助になれば」と開業に踏み切ったが、なじみのない業態が市民に受け入れられるにはまだ時間がかかるかもしれない。そんな黄さんのアパートに今月7日、1人目の入居者が現れた。山西省出身の25歳の女性、張(ジャン)さんである。彼女が入居を決めた経緯などを地元紙・法制晩報が尋ねた。

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まさにカプセルホテルかマンガ喫茶の個室ほどの狭さ。家賃は月々200〜250元(約2700〜3400円)という破格だ。テレビの視聴やインターネット利用は可能だが、共同トイレは屋外にあり、お風呂は公衆浴場へ行くより手立てがない。薄い仕切り壁からは隣室の物音が筒抜けだ。

上京して5年、現在25歳の張さんは広告会社に勤務し、月収は3000〜4000元(約4万1000〜5万5000円)と標準的なレベル。経済的に困窮しているわけではない。友人らと1人800元ずつ負担してアパートを借りようかとも考えたが、張さんは“完全プライベートの空間を確保できる”カプセルアパートへの入居を決めた。これで家賃の4分の3はカットできる計算だ。

ちなみに張さんは一昨年、13万元(約178万円)で小さなアパートを購入済み。目下は貸しに出して、そこからも月々1200元(約1万6000円)の家賃収入を得ている。現在、物件価格は倍近くにまで跳ね上がっている。

そんな張さんがなぜ、カプセルアパートに入居するのか?若い女性1人で不安はないのか?記者がたずねたところ、「実家への仕送りを確保するため」というのがその理由だった。張さんは一昨年に父親を亡くし、母親は無職。学校を卒業したばかりの妹を抱え、家庭は困窮している。「でも、人生は誰に対しても平等なのよ。ここに住んだからといって、将来もずっと苦しい生活が続くというわけではないし、家族にはここに住んでいることは言わないつもりです」と笑顔を見せた。(翻訳・編集/愛玉)

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