<レコチャ広場>中国の物価はなぜタイや欧米より高いのか―中国

Record China    2010年4月21日(水) 7時7分

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19日、財政・経済評論家として中国で著名な張庭賓氏は、主宰のブログ「前瞻贏天下」で「中国の物価はなぜアメリカやタイより高いのか?」と題した記事を投稿した。写真は中国の野菜市場。

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2010年4月19日、財政・経済評論家として中国で著名な張庭賓(ジャン・ティンビン)氏は、主宰のブログ「前瞻贏天下」で「中国の物価はなぜアメリカやタイより高いのか?」と題した記事を投稿した。

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記事はまず、中国の著名経済学者・左暁蕾(ズオ・シャオレイ)氏のコラムを引用。左氏は今年2月、休暇で訪れたタイで現地の物価の安さに驚いた。1人当たりGDPで中国を37%上回るはずのタイだが、物価は中国平均の7〜8割という印象を持ったという。こうした現象は左氏が訪れたフランスや米国でも顕著に見られた。

同氏の抱いた印象は、実は多くの国民のそれと一致している。だからこそ「代購」などという言葉が流行る。これは海外で購入したほうが廉価な商品を、海外渡航者が代行で買ってくる現象を指す。ある機構が行った09年の調査では、アジア諸都市で物価の高い都市は、東京など4都市に次いで北京、上海、香港が軒並みランクインした。これが、「給与水準はアフリカ並み、生活コストは欧米並み」と国内で評価されるゆえんである。

その原因として挙げられるのは、政府によるマクロコントロール政策。これが、いびつな物価上昇を招いている。09年、中国の国家財政収入はGDPの3割を占める世界最高水準だった。これは、北欧並みの高さ。しかし、北欧諸国と違うのは、それが国民に還元されていない点。福利厚生制度は手薄で、教育、医療、高齢者介護、住宅…何をとっても個人が負担する仕組みになっている。

では、政府の莫大な財政収入はどこへ消えているのか?それは、マクロコントロール政策にかかる出費の25%を占める政府投資などが吸収しているのである。しかし、そのコスト回収率は決して理想的とは言えず、中央銀は経済活性を保持するために紙幣発行を促進する。そして人民元の国内価値が下落する。消費者の購買力は低下し、GDPに占める国内消費はいまや35%にまで下落している。

さらに、個人の生活にかかる負担はそれらの統計的数字だけでは測れない。

例えば、不動産方面では、土地所有権(期限付き私有地の譲渡料/中国では本来、個人の土地所有は認められないため「使用権」となっている)に加え、政府は今後、物業税(日本の固定資産税に相当)として実質、二重の課税を導入しようとしている。貿易方面では、これまで敷かれてきた輸出至上政策によって、海外向け製品に適用される出口退税(輸出戻し税/輸出品に対する国内税の還付)や、逆に、輸入製品にかかってくるダンピング防止税などによって、国内市場向けの商品にそのしわ寄せが重なっていく。さらに、過度の地方保護主義によって物流コストが上昇するなど、物価にかかる個人負担は計り知れない。

以上は、経済市場改革と行政および政治体制改革の不均衡がもたらした結果である。迅速かつ積極的な改革によって、GDPに占める国内消費を欧米並みの60%にまで引き上げることができればよいが、もし失策すれば中国、ひいては世界の悲劇となるだろう。(翻訳・編集/愛玉)

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