2010年4月、台湾の人気オーディション番組「スーパースター・アベニュー(超級星光大道)」に出演したことがきっかけで、地元のみならず世界中で話題となった24歳のフリーター青年リン・ユーチュン(林育群)さん。5月13日にはレコード会社ソニーと契約を交わし、プロ歌手としてデビューすることが決定した。その類まれなる歌唱力はもちろんなのだが、美しい歌声とかけ離れたおデブな風貌や、茶目っ気たっぷりのユーモアセンスなども人気を呼んでいる。

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ハイトーンでやや女性的だが、かっぷくのいい黒人女性を思わせるパワフルな歌声。前出のオーディション番組で披露したホイットニー・ヒューストンの大ヒット曲「オールウェイズ・ラブ・ユー」は、動画サイト・YouTubeに掲載されると世界中から400万ものアクセスが殺到、各国からの取材や出演依頼が相次いだ。そんな美声の持ち主のプロフィールを探ってみた。

リン・ユーチュンさんは86年、台湾・台北市生まれの24歳。身長171cm、体重115kgの体型から、「小胖(デブちゃん)」の愛称で知られるようになる。英語名は「ジミー」で、赤い蝶ネクタイとおかっぱ頭がトレードマークだ。

地元・元智大学（情報学専攻）を09年に卒業後、楽器店でアルバイトに就く。幼少から歌が得意で歌唱コンテストの常連だったユーチュンさんだが、父親から「まともな職業に就きなさい」と言われ、歌手への道を断念したためだ。しかし、09年に全世界で話題となったオーディション番組出身の英国人女性スーザン・ボイルに感銘を受け、自身も10年3〜4月にかけて、かのオーディション番組に出演するのである。

そんな彼の趣味は、自宅にこもってネットをしたりTVを見たりすること。もちろん、それ以上に食べることが好きである。そんな飾り気のないキャラクターも魅力で、それは彼のブログにも見て取れる。

時の人となってからは多忙のためか、更新は4月8日でストップしているが、その最後のエントリー記事には、「神様！今の気持ちをどう表現したらいいのですか？」との書き出しで、喜びいっぱいの気持ちを天真爛漫に綴っている。

米国で彼のニュースが報道されたことを受け、「憧れの女神・ホイットニーと僕の写真が並んでるよ〜〜」と興奮を隠さない。また、世界的な現代美術作家アンディ・ウォーホルの言葉を引用し、「誰にでも、有名になれる15分間のチャンスが与えられるって言うけれど、もしかして、今が僕の人生のピーク？」とも。なお、彼のブログやフェイスブックには世界各地からの称賛コメントが殺到しているという。(翻訳・編集/愛玉)