<写真で見る中国の今>上海万博の舞台裏で…消えることのない長屋生活

Record China    2010年5月8日(土) 22時4分

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1日、上海万博がついに開幕。中国にとっては自国の発展を国際社会へアピールする絶好の機会だが、その華々しさの裏舞台には、これまでと変わらぬ人々の日常生活がある。

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2010年5月1日、上海万博がついに開幕した。中国にとっては自国の発展ぶりを国際社会へアピールする絶好の機会となる世界的規模のイベントだが、その華々しさの裏舞台には、これまでと変わらぬ人々の日常生活がある。

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上海市内の著名な観光地・豫園は、明代の古い庭園とその周辺に広がる土産物や工芸品店の連なりが人気を呼ぶスポットだが、この一帯は歴史的な風情を残す庶民的な下町であり、「弄堂(ロンタン)」と呼ばれる長屋が数多く残っている。

近年まで、上海の住宅事情はあまりよいものとは言えなかった。こうした古くからの長屋には、一家族がたった一間に肩を寄せ合って暮らし、台所やトイレは数世帯で共用というのが標準である。プライバシーも余裕もない空間だが、そのかわり、ご近所同士の触れ合いや助け合いが密であることは想像に難くない。そして、こうした共同住宅に暮らす人々の多くは、古くから上海に住む「老上海(ラオシャンハイ=上海っ子)」。郊外の高層アパートに暮らすよそからの転入組とは違い、生粋の都会っ子であるというプライドを持っているようにも見える。

ただ、こうした“古ぼけた景観”を、行政側は「誇るべき地元文化」とはみなしていないようだ。万博開催が近付くと、こうした住宅地でよく見られる光景―屋外に洗濯物を干したり、パジャマのまま気軽に外出したりするような習慣を一掃しようと、当局はこれらを禁止する通達を出した。しかし、地元住民の一部は、「長年の生活スタイルをそう簡単に変えることはできない」と、少なからぬ反発心を抱いているとも報道される。

決して裕福とは言えないかもしれない彼らの生活だが、外国人の目から見れば、それは風情ある異国情緒として感じられるものでもある。必ずしも、中国のイメージに悪影響を与えるものでもないだろう。

もし万博を参観する機会があるならば、大きな国家的イベントの裏舞台に消えることなく存在するこうした風景を併せて堪能するのも、中国のまた違った魅力を感じられる大きな楽しみである。(翻訳・編集/愛玉)

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