<このごろチャイナ・アート&A>都心の隠れ家にも中国人観光客の波―根津美術館

Record China    2010年6月21日(月) 17時3分

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2010年6月、中国を含む東洋の美術品が充実している東京・青山の根津美術館で「能面の心・装束の華」などの特別展示が始まった。都心の隠れ家的なこんなところにも中国からの波が及んでいる。

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2010年6月、中国を含む東洋の美術品が充実している東京・青山の根津美術館に出かけてきた。5日に特別展示が始まった「能面の心・装束の華」や「古代中国の青銅器」「源氏絵コレクション」などの展示品にとどまらず、都心の好立地にもかかわらず敷地内の高低差を利用して入念に作り上げた庭園の素晴らしさも含め、気持ちよく館内の雰囲気を楽しむことができた。

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館員の話をうかがうと、デパートや一部の観光地と同様、ここにも中国からの観光客が殺到しているそうだ。国籍別の統計はもちろんないが、昨年10月約3年半ぶりに新装オープンした時に作成した中国語の施設案内のパンフレット3000部がわずか半年でなくなってしまい今回の展示替えに当たり急きょ5000部を発注中だという。

英文パンフは3か月で5000部を使い切るペースなのでまだそこまでは達していないが、中文はこれまでのペースだと1年はもった量なので、想定を超える規模の中国人参観者が流入しているのは確かだ。

根津美術館というと、失礼ながら都内在住の筆者にもそれほど身近な存在ではなく、専門的なコレクションを持ちひっそりとたたずむ隠れ家的な小美術館という印象があった(実際には庭園を含む敷地面積2万平方メートルとむしろ非常に大きい。ちなみに同様に都心にある出光美術館は庭園がないビルの1フロアなので3825平方メートル)。おまけに長期間改修で閉館していたので、館の責任者も「ガイドブックの紹介から抜け落ちたりしているので、改めて広報が必要だ」という認識を示しているほどだ。

東京国立博物館のような大規模館ならいざ知らず、都心の隠れ家的なところにまで中国からの人の波が及んでいるというのは軽い驚きだった。観光庁は今後の中国からの観光客急増を見越して様々な対応をとろうとしているようだ。アート関係では、日本でも中国人が大量に買い付けているという話題もあったが、今後も様々な影響が出てくるのだろう。(文章・kinta)

■プロフィール Kinta:大学で「中国」を専攻。1990年代、香港に4年間駐在。2006年、アジアアートに関する大英博物館とロンドン大学のコラボによるpostgraduateコース(1年間)を修了。08年「このごろチャイナ」を主体とした個人ブログ「キンタの大冒険」をスタート。

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