<大学入試>一芸入試の加点枠、今年も不公平な状況が発生―浙江省

Record China    2010年6月24日(木) 20時39分

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23日、大学入試の加点対象項目「スポーツ枠」で、スポーツと関連性の乏しい「模型製作・電子通信機器操作」の枠を利用して加点を得る受験生が続出していることについて、「不公平だ」との声が渦巻いている。写真は大学入試の採点風景。

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2010年6月23日、広州日報によると、大学入試の加点対象となる項目のひとつ「スポーツ枠」で、スポーツと関連性の乏しい「模型製作・電子通信機器操作」の枠を利用して、大きく加点を得る受験生が続出していることについて、メディアやネット上では「不公平だ」との声が渦巻いている。

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中国の大学入試は、統一筆記試験の得点にプラスして、各省毎に定められている加点枠がある。その項目は「スポーツの成績」「各種コンテストの成績」など、日本で言う“一芸”の枠に属するもので、これらの得点に筆記試験の得点を加えた合計得点で合否が判定される。各項目の加点数は各省が独自に決めているが、中には20点以上が加点される項目もあり、1点を争う受験生にとっては非常に大きな意味を持っている。

浙江省で問題になっているのは、スポーツ加点枠に含まれる「三模三電」と呼ばれる項目。これは船舶や航空機・車両の模型コンテストと無線通信や電子機器製作など電子通信関連のコンテストにおいて入賞を果たした学生に加点されるもの。そもそもなぜ、スポーツ枠に含まれるのかも疑問だが、“知力の競技”ということでスポーツに含まれるようだ。あるネットユーザーの告発によると、今年、浙江省でスポーツ枠を申請した受験生1002人のうち、625人が「三模三電」で加点を得ている。ネットユーザーやメディアが問題視しているのは次の点。

1.簡単に加点対象者になれる

同じスポーツ枠でも陸上や水泳、球技などで加点を得るためには、相当な努力と訓練が必要だが、「三模三電」は短期間の訓練で加点対象者になれる。努力して加点を勝ち取った受験生や、そもそも加点を受けずに筆記試験のみで挑む受験生からみると極めて不公平。

2.加点対象となるコンテストや賞が多い

なぜか関連のコンテストが各地で頻繁に多数開催されるため、入賞チャンスが多く、参加者ほぼ全員が、何らかの賞を獲得できる仕組みである。

3.省内の成績トップすら生まれる

同省の昨年の文科系の成績トップは、「三模三電」で20点の加点を受けた受験生だった。もしこの加点がなければ、実際には28位だったにもかかわらず。

4.同一コンテストで1位が複数人

「三模三電」のあるコンテストでは、同率1位がなぜか同じ高校から5人も誕生している。これでは入賞者の数は増す一方。

5.金が物を言う

「三模三電」のスキルを得るためにはたった1か月の研修に参加すればよいという程度のものだが、その研修費は1万5000元(約20万3000円)。こうして加点対象者となった受験生の多くは、政府関係者・金融業関係者・企業オーナーなど「権力者」の子供だったことも大きな問題となった。

6.利益の連鎖がすでに形成されている

研修機関の教官、コンテストの審査員、関連教材の販売者など、有力者による「三模三電」の既得権者が存在し、制度の廃止が難しくなっている。(翻訳・編集/HA)

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