Record China 2010年7月12日(月) 18時14分
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10日、経済観察報は、イタリアの高級ブランド・プラダが中国人実業家によるプラダ買収に抵抗していると報じた。買収元が中国人実業家と知ったプラダは「品質、格式が落ちる」と抵抗する姿勢を示している。写真は上海のプラダ路面店。
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2010年7月10日、経済観察報は、イタリアの高級ブランド・プラダが中国人実業家によるプラダ買収に抵抗していると報じた。
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買収を検討しているのは中国でブランド品を格安で販売するアウトレットモール・フォックスタウンの陳強(チェン・チアン)総裁。2008年の金融危機前にプラダは上場計画を立案、複数の銀行を戦略的投資家として迎え入れた。しかし金融危機により上場は失敗し、提携した銀行も経営危機に陥っている。現在、プラダはイタリアの銀行5行に対し6億ユーロ(約674億円)以上の債務を抱えており、株式は担保として銀行に差し押さえられた。そのため創業家の保有株は少なく、大多数は銀行が握っているという。銀行はプラダ株の売却を決定、買い手を探している。
この話を聞いた陳総裁はただちにイタリアに飛んだ。陳総裁自身がプラダ・ブランドを好んでいたこともあるが、中国市場での潜在的な可能性を十分に発揮できていないため、経営に参画すれば中国市場での大きな成長が期待できると読んだためだ。しかしプラダ側はそうは思わなかったようだ。「中国人に任せれば、品質や格式が落ちると思ったようだ」と陳総裁は相手側の懸念を明かした。
陳総裁はかつて経営危機の独ファションブランド・エスカーダの買収も試みたことがある。失敗に終わったがその理由は二つ。価格面で合意できなかったこと、そして相手側が中国人へのブランド売却を望まなかったことだという。この時の経験から陳総裁は買収に慎重な手続きを踏んだ。
プラダとの交渉前に、陳総裁は2000万ユーロ(約22億5000万円)を投じてイタリアのビジネス・コンサルティング企業を買収。同社はプラダのロシア市場開拓に協力した企業で、プラダ買収の窓口としては最適だった。買収されたコンサルティング企業の最初の任務は、プラダの債権者である銀行との交渉。この過程について陳総裁は詳細を明かしていないが、プラダ株の13%を取得したという。ただしプラダ側はこの数字が事実かについては確認を避けている。陳総裁は株式保有比率を20%にまで高め、経営権を取得することを目指している。
買収の黒幕が中国人であることを知ったプラダ側は態度を硬化させた。残る株式はもともと1億ユーロ(約112億円)の値だったが、2億5000万ユーロ(約281億円)にまで釣り上げたという。陳総裁の買収チームは4億5000万ユーロ(約505億円)で銀行が保有する全株式を取得する計画だったが、不可能となった。「来週までにあと十数%の株式を買収できなければ経営権が取得できない。そうなれば現保有分の株式はただちに売却する」と陳総裁は話している。
プラダ買収は、同社の戦略策定にかかわりたいためだと陳総裁は話す。プラダのブランド的地位、デザイナー、現経営陣の職を5年間保障することを約束しているが、アジア市場での戦略変更を狙っている。より低価格で、多種類の製品を生産することで、消費者により受け入れられるようになるとの狙いだ。中国市場におけるプラダの価格はあまりに高すぎると陳総裁は考えている。
陳総裁の考えは旗下のフォクスタウンの動向に象徴されている。同社は長江デルタに5店舗を展開しているが、今年中にさらに3店舗をオープン、うち1店は内モンゴル自治区オルドス市に構えるという。販売データによると、中国の一部地方都市はすでに北京、上海、広州に並ぶ消費能力を持っているという。ルイ・ヴィトンなどのトップ級ブランドもすでに地方に展開。陳総裁はオルドスではお金を持っていても使うところがない状況だとその可能性を語った。もし中国市場での成長が実現できなければ、欧米及び日本市場の縮小により高級ブランドは大打撃を受けるだろうと見通しを示している。(翻訳・編集/KT)
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