賃金引き上げは諸刃の剣、貧富の差は縮まるが大量失業の懸念も―新華社

Record China    2010年7月15日(木) 6時42分

拡大

12日、中国国営メディアは、労働コストの上昇が中国経済に試練を与えていると論じた。写真は4月、瀋陽の街角で求職の札を掲げる出稼ぎ農民。

(1 / 4 枚)

2010年7月12日、中国国営新華社通信(電子版)は、労働コストの上昇が中国経済に試練を与えていると論じた。

その他の写真

「労働コストの上昇は主に出稼ぎ農民の賃上げによるもの」。こう話すのは人力資源・社会保障部労働科学研究所の莫栄(モー・ロン)副所長。出稼ぎ農民の平均月給は04年の600元(約7800円)から1500元(約2万円)にまで上昇したが、莫副所長によると、これまでの給与水準が物価に比べて低すぎただけで今はそれが矯正されている段階に過ぎない。80年代や90年代生まれの新世代の出稼ぎ農民らが父親世代より高い給与や福利厚生を求めるようになったことも大きい。

だが、記事は労働コストの上昇は諸刃の剣だと指摘する。貧富の差が縮まり、個人消費が拡大し、内需が刺激されるなどの利点がある一方で、賃上げが企業の利益を縮小するというマイナス面もある。特に「100足作って1ドルの儲け」といった薄利多売の製造業にとってはかなり大きなダメージだ。国務院発展研究センターが最近発表した調査結果でも、8割近い経営者が「労働コストの上昇は企業にとって最大の試練の1つ」と答えた。

中国商務部の姚堅(ヤオ・ジエン)報道官によると、原材料や労働コストの上昇により中国製品の国際競争力は下がっており、今年の輸出状況は楽観できない。中国軽工工芸品輸出入商会の李文鋒(リー・ウェンフォン)副会長も「インドやベトナムなど労働コストが安い国へのシフトが始まっている」と危機感を募らせる。

中国は現在、安価な労働力の時代から抜け出そうとしているが、その代わり企業の競争力は弱まり、経済成長が鈍化、失業者も増える可能性が高いというリスクを抱えている。記事は、「中国はまさに難しい『二者択一』に迫られている状況だ」と指摘した。(翻訳・編集/NN)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携