戸籍制度改革がついに始動=農民1000万人が都市戸籍取得へ―重慶市

Record China    2010年7月16日(金) 17時54分

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14日、重慶市政府でこのほど戸籍改革が始動。1000万人の農村住民に都市戸籍が与えられることになる。写真の小萍さんは戸籍移転手続きのミスから戸籍を失い、小学校に入学できなくなり、9歳の時に幼稚園に通うことを余儀なくされた。

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2010年7月、重慶市政府ではついに戸籍改革が始動した。1000万人の農村住民に都市戸籍が与えられることになる。14日、中国経済網が伝えた。

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12日、重慶市政府は第75回常務会議を開催、「重慶市総合都市・郷村戸籍制度改革意見」「重慶市戸籍制度改革総合プラン」を承認した。現在、重慶市の人口の51%は都市に住んでいるが、その多くは出稼ぎ農民などの流動人口。都市部戸籍の保有者は28%に過ぎない。今回承認された計画では都市部戸籍の保有者比率を2020年までに60〜70%に引き上げる計画で、1000万人もの農村人口が都市戸籍を取得する計算となる。

戸籍移転第一陣となる310万人は、出稼ぎ農民とその家族180万人、中等専門学校の学生70万人弱、非農村戸籍取得者40万人余りから構成されている。重慶市の黄奇帆(ホアン・チーファン)市長は第一陣310万人の戸籍移転を1〜2年で終了させると発言した。その後も中等専門学校卒業者が年20万人のペースで生じる。10年で200万人に達する。その後、再び出稼ぎ農民500万人の戸籍移転を実行することで、目標の1000万人が達成されるという。

「300万人が都市部に住めば、数百億元もの消費を生み出すことになる。本当の意味で消費主導型成長モデルが構築される」と黄市長は期待をあらわにした。逆に農村も、人口が減ることにより耕地面積など1人当たりの資源量が増えるというメリットがあるという。

一方で、戸籍制度は利害関係が入り組んだ複雑な問題だけに、改革の先行きを懸念する声が学術界から上がっている。重慶市社会科学院の丁新正(ディン・シンジョン)研究員は、農地を放棄して都市戸籍を取得した農民の雇用が確保できないケースを懸念している。ある研究者は「都市戸籍を取得した農民が、やはり農村に帰りたいと言ってきた場合、どう対応するのか」と問いかけている。他にも都市化の進展に伴い必要となる新たな土地をどう確保するかなど、多くの問題が残されている。

先日、黄市長は戸籍制度改革をまず両江新区からスタートする意向を示した。まず一部地域に限定することで、改革に軌道修正の余地を残したのではとその意図を読み取る向きもある。(翻訳・編集/KT)

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