厳しい舵取りを迫られる中国、出稼ぎ農民2億人をいかに遇するのか?―米紙

Record China    2010年8月9日(月) 17時22分

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6日、米紙ニューヨーク・タイムズはこのほど、記事「中国とインドが直面する都市化のリスク」を掲載した。2億人という膨大な出稼ぎ農民を抱える中国、彼らをいかに遇するのかが中国政府にとって難問となっている。写真は江蘇省南通市の衣料品工場。

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2010年8月6日、環球時報によると、米紙ニューヨーク・タイムズはこのほど、「中国とインドが直面する都市化のリスク」と題した記事を掲載した。以下はその抄訳。

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都市化という繁栄の道。しかし貧しい人々にとっては虚構に過ぎない。ムンバイの貧民窟、あるいは北京市郊外で狭い部屋をシェアしている若いサラリーマンたちを見れば、その答えがわかるだろう。アジアの成長の道程で、とりわけ人口が多いインドと中国では、政府が複雑な都市化を決める戦略を定めてきた。

今後、各国は自国の人口構造に合わせた政策を立案しなければならない。中国の労働人口は2015年にピークに達する。その後は高齢化に向かうため、生産力の持続的な発展を保持する必要がある。インドを旅行した中国人はあちこちで見かける貧民窟に驚くというが、中国の近代的都市もさげすまれている出稼ぎ農民たちによって造られたことを忘れてはならない。

2009年時点で中国には2億1100万人の出稼ぎ農民がいる。故郷から遠く離れた都市で働く彼らには教育、医療、住宅などの社会福祉は与えられない。都市戸籍と農村戸籍を厳格に分ける中国の社会管理方式は、今なお有効性を保っている。金融危機で職を失った出稼ぎ農民2000万人は故郷の村へと戻り、北京市は失業者であふれることもなく、安静を保った。

しかし戸籍制度改革を求める政治的・経済的圧力は日増しに高まりつつある。上海など一部都市では出稼ぎ農民の権利を拡大する動きを見せている。中国にとって農民の恒久的な農村からの離脱は、厳しい試練となる。中国の政策立案もこれまでミスがなかったわけではない。1990年代から大学定員の拡張が始まり、現在では年600万人が卒業するようになったが、30%以上もの卒業生が仕事を見つけられずに苦しんでいる。その一方で、工業労働力の不足が深刻化しており、ある金融会社は「中国の労働力不足は構造的なアンバランスが背景にある」と分析した。(翻訳・編集/KT)

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