【週末美術館】青銅器 ―シュルレアリスムで描く歴史―

Record China    2010年8月22日(日) 14時49分

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江遠強の「青銅器シリーズ」と名付けられた油彩画の連作。青銅器時代の中国をテーマにしながら、完全に洋画の技法で描かれている点や、多国籍なモチーフが奇妙に共存している点、歴史を描いているようでいておよそ現実からかけ離れている点など、非常に混沌とした作品だ。

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あまりにさまざまなもので、混沌としている。画面は整然としているかもしれないが、何故か少々混乱をきたすほどに、混沌と蠢くものを感じる。

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江遠強(ジアン・ユエンチアン)の「青銅器シリーズ」と名付けられた油彩画の連作。遠く青銅器時代をテーマに、古代中国のモチーフが続々と登場するその作品には、強い陰影やパースペクティブ、そして典型的な構図取りと、きわめて一般的な西洋画の技法が用いられていて、その強烈な東西の折衷が違和感を生んでいる。

それだけではない。青銅器時代の中国をテーマにしながら、ギリシャやシルクロードを思わせるモチーフが奇妙に共存していたり、写真やCGを思わせるような超写実的な描画でありながら、やはり油彩画らしく見える表現方法であったり、歴史を描いているようでいておよそ現実からかけ離れたファンタジックさだったり、あまりにさまざまなものが入り混じったシュールさが、一種の困惑を生むような、そんな作品群である。(文/山上仁奈)

●江遠強(ジアン・ユエンチアン)

1975年広東省生まれ。広州美術学院、清華大学卒業。著名油彩画家・陳逸飛の影響を強く受ける。世界各地の美術展に出展しているほか、美術館や博物館に収蔵された作品も多く、中国では画集も出版している。代表作に「青銅器シリーズ」「紀元前の青年」「古代文明」など。

※週末美術館では、中華圏のアーティストを中心に日本や世界各地の写真作品、美術作品、書道作品などさまざまなジャンルの作品をご紹介していきます。

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