Record China 2010年8月29日(日) 14時30分
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26日、中国国家発展改革委員会・対外経済研究所の張燕生教授が、今後5〜10年は中国の労働コストの上昇が続くとの見通しを示した。写真は江西省東郷県の絹糸生産工場。
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2010年8月26日、中国国家発展改革委員会・対外経済研究所の張燕生(ジャン・イエンション)教授が、今後5〜10年は中国の労働コストの上昇が続くとの見通しを示した。中国新聞社が伝えた。
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記事によると同教授は、労働コストの上昇が中国の経済成長にとって巨大な圧力となり、ルイス・ターニング・ポイント(※)を超えることになるとの見通しを示した。同所長は中国経済を身長190cmにまで成長した15歳の子供にたとえ、外見は大人だがまだ多くの問題を抱えていると述べ、中国経済の2つの問題点を指摘した。
第1に、中国はGDPでは日本を超えたが、社会主義市場経済という枠のなかで、法的な規範や透明度、政府と市場の関係などにおいて、まだ先進諸国との差があるということ。同教授は、これが中国の抱える最も大きな課題だとした。
第2に、中国は過去数十年にわたって生産における低コストという武器により競争力を伸ばしてきたが、将来5〜10年の間に転換点を迎え、産業構造の転換をも余儀なくされることが予想される。同教授は、無限に供給されてきた農村の余剰労働力によって低コストを保っていたこれまでの労働集約型生産から、今後はイノベーションが求められる「良い商品」の生産への転換に迫られることになる、と指摘した。
しかし同研究所の統計によると、自主開発能力のある中国国内の工業企業はわずか7%で、模倣から自主開発への移行において正念場を迎えなければならない。(翻訳・編集/津野尾)
※ルイス・ターニング・ポイント:ノーベル賞経済学者・アーサー・ルイスが主張した概念で、無限に労働力が供給され賃金の上昇が抑えられている状態から脱する転換点のこと。
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