2010年9月5日、新華網によると、中国で今年起こった水害による直接的経済損失はすでに2000億元以上、犠牲者数は行方不明者を含めて2000人を超えており、過去10年で最悪の被害を記録していることが明らかになった。

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中国水利水電科学研究院・洪水干ばつ対策研究所の副所長を務める向立雲（シアン・リーユン）教授が中国誌「瞭望」の取材に答えて話した。

向教授は、先月甘粛省舟曲県で発生した土石流災害に触れ、われわれが反省すべき余地はある、と話した。「確かに極端な（豪雨による）事件だったが、観測、予報、警報が正しくなされていれば、死者を減らすことができたかもしれない」と指摘、「豪雨と土石流発生のあいだには必ず時間差があり、緊急避難は可能だからだ」とその理由を述べた。また、「中国国内では多くの地域で類似の地質災害が起こっており、予測は可能」としながら、都市や村を建設する際、開発地の選定などに考慮する必要があると指摘した。

当局の発表によると、今年になって、中国ではすでに28の省・自治区・直轄市で洪水被害が発生しており、農作物の被害は9721ヘクタール、被災人口は1億4000万人、死者と行方不明者はそれぞれ1072人、619人となっている。倒壊した家屋も110万に上り、直接的経済損失は2096億元（約2兆6000億円）、水利に関する異常状況によりこうむった損失は400億元（約5000億円）に達した。これは例年の3倍に相当する被害だという。（翻訳・編集/津野尾）