都市地下水の6割超が深刻な汚染!改善には1000年必要―中国

Record China    2010年9月10日(金) 10時17分

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8日、国際先駆導報は、中国の地下水の90%以上が何らかの汚染の影響を受けており、そのうちの64%は特に深刻な状況であると報じた。写真は06年12月河南省で、地下水汚染により大量に死亡した養殖のコイ。

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2010年9月8日、国際先駆導報は、中国の地下水の90%以上が何らかの汚染の影響を受けており、そのうちの64%は特に深刻な状況であると報じた。

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記事によると、中国では水資源の3分の1を地下水に依存しており、国民の約70%が地下水を飲用している。飲料水や工業用水として利用するため、地下水のくみ上げ量は毎年約25億立方メートルの割合で増加しており、くみ上げ過多による水枯れ、地盤沈下などの問題が発生している。さらに中国地質調査局によると、全国の地下水の90%は何らかの汚染にさらされている。

地下水の汚染問題は深刻さを増している。「全国重点風土病の予防・治療計画(04〜10年)」のデータによると、03年末現在、中国全土には歯のフッ素症患者3877万人、骨のフッ素症患者284万人、ヒ素中毒患者9686人、克山病(原因不明の心筋疾患を引き起こす中国の風土病の1種)患者約4万人(潜在患者を含む)などの風土病患者が存在しており、原因の多くは飲料水(または土壌)に関係しているとみられている。

中国全土の水や空気、環境汚染の研究・報告を行っている公衆環境研究センターの馬軍(マー・ジュン)主任は「風土病の根本対策には地下水の汚染改善が欠かせない」と主張する。馬主任によると、一部の企業が未処理の工業廃水をそのまま垂れ流した結果、地表水が汚染され、その地表水が、水のくみ上げ過多で空洞となった地下に流入していくことで、地下水の水質に深刻な影響を与えている。また、農村などで大量に使用される化学肥料や農薬の影響も大きいという。これらは井戸水や作物を通じて人々の口の中へ入る。

こうした状況に対し、中国地質環境観測院のある専門家は「中国の地下水汚染は点から面へ、地下の浅い部分から深い部分へ、都市から農村へと拡大しており、汚染の深刻さは日々増している」と心配する。

北京大学都市・環境学院の専門家によると、関連部門が中国全土の都市118か所の地下水に対して2〜7年連続して観測調査を行ったところ、約64%の都市の地下水が深刻な汚染を受けており、33%が軽度の汚染、ほぼ問題ない都市は3%に過ぎなかった。

馬主任は「地下水は一旦汚染されてしまうと改善が非常に難しい。特に深層部が分解しにくい重金属などで汚染されれば、水質改善には1000年は必要となる」と語り、「中国には地表水を管理する法律はあるものの、地下水の環境を制限する法律はない」と指摘している。(翻訳・編集/HA)

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