市民生活の快適さや幸福感が低下、北京や上海で「大都市病」が蔓延―中国

Record China    2010年10月10日(日) 4時44分

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8日、中国の大都市で市民生活の快適度や幸福感が低下しているという。これは人口が大都市へ集中しすぎている弊害「大都市病」によるもので、一部の識者は「集中発生期にすでに突入している」との見方を示している。写真は低所得者が住む北京のカプセルアパート。

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2010年10月8日、中国青年報は中国の大都市で市民生活の快適度や幸福感が低下していると報じた。これは人口が大都市へ集中しすぎている弊害「大都市病」によるもので、一部の識者は「中国は大都市病の集中発生期にすでに突入している」との見方を示している。

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上海、北京、広州深センなど、中国で最も経済が発展し、資源が最も集中している大都市に、人々は生活レベルの向上などを求めて流入してくるが、現在は快適さや幸福感が得られないだけでなく、逆に様々な困難や不満に直面している。これは、人口が大都市に集中しすぎることなどによって発生する社会問題で、「大都市病」と呼ばれている。

大都市病に共通する問題は、深刻な交通渋滞、環境汚染、農村地区からの出稼ぎ労働者(農民工)の子供の入学難、水資源などを含めたエネルギー需要の急増、住宅難、高騰する生活費、医療機関不足、社会保障サービスの不公平など多方面にわたっている。

経済が発展しているにもかかわらず、市民生活の快適度が低下している状況について、中国行政改革研究会秘書長で、国家行政学院教授の汪玉凱(ワン・ユーカイ)氏は「原因は複雑だが、都市発展戦略の欠如や産業分布問題とともに、インフラ施設の不均衡や経済発展に対する過度の追求が影響している」と語り、「中国はこれまで大都市の発展ばかりに注目してきたが、今後は中小都市やそれ以下の地域の発展を加速する時期に来ている」とし、労働集約型産業の地方移転などによって大都市への人口集中を解消するとともに、農村地区の余剰労働力の吸収や就業問題の解決につなげるべきだと指摘する。

また、都市問題の専門家、徐宗威(シュー・ゾンウェイ)氏は「北京や上海などでは大都市病が進行し、市民生活に深刻な影響を与えている」と警告する。その原因として、「都市には経済機能と生活機能という2つの基本機能があるが、都市管理者が経済機能を追求しすぎ、生活機能が無視されているため」と分析している。(翻訳・編集/HA)

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