<レコチャ広場><尖閣問題>「偶然外交」から見る日中関係の未来

Record China    2010年10月15日(金) 17時57分

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14日、尖閣問題で悪化した日中関係が回復の兆しを見せる中、中国の著名ジャーナリストが「『偶然外交』から見る日中関係の未来」と題した記事をブログサイトに掲載した。写真は9月16日、東シナ海の禁漁期間終了を受け、漁に出発した浙江省舟山の漁船2500隻。

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2010年10月14日、尖閣問題で悪化した日中関係が回復の兆しを見せる中、中国の著名ジャーナリスト、王冲(ワン・チョン)氏が「『偶然外交』から見る日中関係の未来」と題した記事をブログサイト・鳳凰博報に掲載した。同氏は中国本土の記者として初めてオバマ米大統領の取材に成功した経験を持つ。以下はその内容。

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東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大国防相会議が開かれたベトナム・ハノイで、中国国防部の梁光烈(リアン・グアンリエ)部長が宿泊先のホテルのエレベーターホールで北沢俊美防衛相と「偶然」出会い、20分間の短い話し合いを行ったことがメディアの注目の的となった。

これに先立ち、温家宝首相と菅直人首相の「廊下外交」も高い関心を呼んだ。これらは「偶然」を装っているが実際には背後で周到な事前準備が重ねられたもの。温首相は、尖閣諸島は中国領だと強調しつつも、両国の「戦略的互恵関係」の発展を望む意向も同時に示した。一連の動きから、両者に尖閣諸島沖での衝突事件という1ページを早くめくってしまいたいという共通の思いがあることが見て取れる。

こうして見ると、両国関係はそれほど深刻な状況ではないように思える。実は今回の事件で最もダメージを受けたのは両国民の相手国への感情だ。そのため、再び「政冷経熱」が深まることはないとみられる。小泉純一郎氏が首相だった頃と比べてほしい。あの時ほどの冷え込みは感じないのではないだろうか?

小泉氏の退任後、双方は「氷を砕く旅」から「氷を溶かす旅」、そして「暖かい春の旅」を経て、関係を改善していった。この基本路線は今も変わっていない。恐らく、11月に横浜で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際には両国首脳による「正式な会談」が開かれると筆者はみている。

今回は民主党政権の中に中国の外交を取り仕切る戴秉国(ダイ・ビングオ)国務委員と話が出来る人材がいなかったとも聞いている。これを教訓とし、両国は早急に突発事件に対応する合同の管理委員会を設けるべきだ。何か起きてもすぐに双方の有識者などが集い、話し合いができる体制を整えておけば、不必要なダメージを受けなくて済むのではないだろうか。(翻訳・編集/NN)

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